2015年のOpenStreetMapイベント

OpenStreetMap Foundationは2007年からこれまで、State of the Map (SotM)カンファレンスを年次で開催してきました。このイベントはコミュニティ以外にも広く知れ渡り、20人強でしかなかった参加者数も、SotM 2013では300人を超えるほどとなりました。本年、SotM 2015のホストとして2つの都市から素晴らしい内容の立候補を受けています。しかしながら、私たちの関与の及ばない理由により、開催を取りやめざるを得なくなる可能性が出てきました。SotM作業部会はOSMF理事と協議し、本年はOSM Foundationが主催するカンファレンスを実施しないことを決定しました。

これまでの10年間、OpenStreetMapコミュニティは成長を続けてきました。それはカンファレンスでも同様です。OSMF自体が主催するカンファレンスはありませんが、6月にニューヨークの国連総本部で行われる SotM US や、10月の SotMスコットランドなど、OSMに関係するカンファレンスはすでにいくつか開催が予定されています。その他にも2015年には、多くのウェブ会議、マッピングパーティ、開発イベント、ミートアップが計画されています

UN General Assembly hall

SotM-US will be held at the UN headquarters in New York, 6-8 June 2015
(image CC-BY 2.0 Dan McKay)

SttateoftheMap運営委員会は、2015年、2016年、そしてそれ以降の活動を行うため、何人かの新しいメンバーを迎えました。私たちは現在、このプロジェクトにおけるSotMの役割、そしてOSMF主催のSotMが様々な地域で開催されるイベントとどのように関わってゆくかを視野に入れた、SotMのこれからに寄せる提案を準備しています。すでにいくつかの内容は検討されていますが、私たちはこの投稿のコメントでみなさんの意見を伺いたいと考えています。

State of the Map 2016の準備はすぐに開始されます。また、あなたが活動する地域でSotMを開催することに興味のある方は是非、私たちに一報をお寄せください。

StateoftheMap運営委員会により投稿

OpenStreetMap Foundation 対面ミーティング: 1日目

本日、OSMF理事メンバーとして対面 (Face to Face) のミーティングが行われ、参加をしてきました。いままで他の理事とは何度も顔を合わせていますが、私が理事に就任してからはこれが最初の会合となります。昨今、遠隔のビデオやIRC、Skype、Etherpadなど、遠隔でコラボレーションするためのツールが多く活用されてはいますが、一緒に集まるというのはいまだ素晴らしく、何かを為すにはとても有用です。Aspiration Tech の Allen Gunn (Gunner) さんが、私たちのファシリテートをしてくれました。これは私が記憶する限り、ファシリテートが行われた最初の対面ミーティングですが、その内容はこれまでとは比べ物にならないほど素晴らしいものでした。話し合いの間、結果を出すことから外れないようし、そして特定の話題で時間を取られすぎないようにしてくれるということは、たいへん価値の高いことです。

本日行われたミーティングでは、本年度を通して理事が手がけるべき事柄の優先付けや、いくつかの議題について承認を行うかどうかといった重要な事柄について、体を動かしながらの話し合いが行われました。ミーティングの開始時、部屋の中心に一本の線がひかれ、参加者はそれぞれの議題についての意見を自分の立つ場所によって表現しました。線の片方は “強く賛成” の意見をもつ場合、もう片方は “強く反対” の場合に立つこととなり、話し合いによって意見が変わる場合には立つ場所を移動しました。この方法は想像以上に効果的に働き、現在の状況がわかりやすく表現されました。もし会ったことのない財団のメンバーが会合を行う場合にこの方法を試すとしても、とても効果的に働くはずです。

Photo Credit: Paul Normal

Photo Credit: Paul Norman

体を動かす活動はもうひとつありました。話し合いの結果の一覧や優先度付、評価を行う際に使われる手法とよく似た方法を使いました。私たちが作業を行ったトピックは取りも直さず、私たちが何を重視しているのか、私たちが本年度で何を達成したいのか、OSMでどのような作業がある/ないのか、そしてOSMF理事としての責任とOSM Foundation全体の責任とは何であるのか、といったことです。私たちは今週さらに議論を深め、その情報をコミュニティに共有する予定です。まず最初に、ポストイットのメモに書かれた内容を書き起こします。ミーティングの最初の結果はとてもわくわくする内容で、これからの活動にも俄然やる気が湧いてきています。

OpenStreetMap.orgでの経路探索実装

OpenStreetMapユーザに大ニュース: メインウェブサイトに、A-to-B方式 (目的地検索) の経路探索が実装されました! これはOSMプロジェクトにおける大きな一歩です。Richard Fairhurstさんをはじめ、この機能の実装に関わったすべての方々に多大なる賞賛を惜しみません。

osm-routing “なんでこれが大きな一歩なの? そんな機能、何年も前からどんなウェブサイトにもついてるじゃないか” そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。これにはまず、OpenStreetMapのメインウェブサイトにおける設計思想、つまり、ワンストップで多くの機能を提供することをせず、真にオープンなデータを創造することによって、関係する人々がそのデータを使ったサービスを作り出すことを促す、としてきた方針をまず紹介しなくてはいけません。この思想があったことによって、これまで数年間、OSRM や Mapquest、Graphhopper、Cyclestreets、Komoot、cycle.travel、その他数多くの素晴らしいウェブサイトが生み出されてきた経緯があります。

しかしそうしたサービスはすべて、それぞれのウェブサイトやアプリケーションの上に実装されてきました。そのため、ユーザはそれらのサービスの力の源泉がOpenStreetMapであることに必ずしも気がつかないことがありました。最終的に実装されたこの実装方式では、 JavaScriptコードを利用して OSMのメインとなるウェブサイトからサードパーティのシステムを利用するという、たいへんすっきりとした手法を採用しています。これは単純に経路探索の機能が使いやすいというだけでなく、”初見” のかたにとっても、そうしたサービスがOSMを使っているということがわかりやすくなっています。

ですが、この実装が大きな意味を持つ、ということは単にこれだけが理由ではありません。

この機能が本当に意味を持つのは、この機能によって OpenStreetMapのデータが多様なフィードバックを得る機会を持った、ということにあります。私たちがOpenStreetMapのウェブページに “スリッピーマップ” を表示しているのは、ユーザが地図を確認し、名称の情報調査が必要な橋や、描くべき建物を見つけ出して、”編集”から対象を直接修正することができるようにすることが大きな理由のひとつです。このフィードバックのサイクルを廻すことによって、OpenStreetMapは世界の様々な地域で、その地域の最も詳細な地図をつくり上げることに貢献してきました。

しかしこのフィードバック方式は、私たちの言葉で言えば “レンダリングされるものがマップされる” という現象を生み出してきました。つまり、地図に画像として表現されない限り、修正や追加が必要なデータがあることに気が付きづらいのです。標準のレンダリングで表示されない多くの地物を描くにあたって、このフィードバック方式をとっている限り、そうした地物はユーザが修正しようという気持ちになりづらいのが実情でした。そしてこの理論は、例えば交差点における “左方向転回禁止” や、”バスのみ” 通行が許可される通行制限、実際には接続されるべき歩道と道路が接続されていないトリッキーなデータなど、地図で表現 “できない” 地物ではより顕著でした。この経路探索機能が実装されたことによって、ユーザはOSMウェブページで直接おすすめの経路を表示できるようになり、ユーザが問題点を発見し、そのまま編集できるようになったのです。最終的に得られるこの成果は、OSMデータを使った経路探索の品質を一段階押し上げるものです。これはすなわち、地理情報データを使ってすべての人々がより素晴らしい成果を得られるようになり、A点からB点へ移動するという行為をより手軽で便利に行うことができるようになる、ということでもあります。

あなたがこれから訪れる場所を、ぜひ検索してみてください!

Blog post by Dan Stowell, Translated by Satoshi IIDA (nyampire)

OpenStreetMap地域支部 – Welcome Iceland

OpenStreetMapコミュニティは地球上のそれぞれの地域で、それぞれのローカルグループを形成しています。今こそ、”地域支部/local chapter”の考え方を明確にすべき時です。既に支部の定義と申請手続きは整えられており、そして、私たちは最初の OpenStreetMap Foundation 公式地域支部を認定することとなりました。openstreetmap-iceland-website

OpenStreetMap á Íslandi” は、オープンで自由な地理情報データを推進する団体である  Hliðskjálfの下部組織です。OpenStreetMapの支部認定手続きを中心的に進められた Hliðskjálf の Jóhannesさん、たいへんおつかれさまでした。

私たちOpenStreetMapにはアイスランドの他にも、少人数のマッパー・グループから、国単位の大きなグループまで、世界各地で様々な規模と種類のローカルグループが形成されています。それぞれの団体はその地域の言葉で OpenStreetMapが存続し続けることを支援し、コミュニティの皆で、その地域の文化と習慣を見つめなおす活動を続けています。地域支部の構想は、グループの名称を中心に長い間議論の対象となっていました。私たちの構想は Wikimedia財団を参考にされています。

そうした長い議論を経て、ようやく私たちは、地域で活動する OpenStreetMapの組織と OpenStreetMap Foundationをつなぐ、地域支部という構想を公式にご案内することができるようになりました。これはOSMFの歩みにおいて大きな一歩となります。具体的な支部の定義、必要事項、手続きは Local Chapterページに解説が記載されています。

4つの新規タイルサーバ

タイル画像の読み込みが早くなった、そんな気がしませんか? openstreetmap.org の地図表示はこれまでよりさらに改善されているはずです。なぜならば、3つの新しいサーバが、この2週間のうちにデータの配信を開始しており、さらに、年明けの早いうちにもうひとつのサーバが同様に配信を開始する予定だからです。

  • タイルサーバ、名称は saphiraJump Networksより提供、住区は英国 ロンドン
  • タイルサーバ、名称は viserionCARNetより提供、住区はクロアチア Pula
  • タイルサーバ、名称は stormfly-02OSUOSLより提供、住区は米国 Corvallis
  • タイルサーバ、名称は longmaNCHCより提供、住区は臺灣 新竹市

osm-cdn-2015-01

地図タイルの配信は、GeoDNSによって割り出された利用者の位置によって行われます。現在、OpenStreetMapのタイルコンテンツ配信ネットワーク (CDN) はEDNSクライアントサブネットをサポートするようになり、利用者から最も現在地に近いタイルキャッシュが選択されるよう、精度が向上しています。

OpenStreetMapの利用はすべてのひとびとに開放されています。しかし、そこにはちょっとした調整が必要です。もしあなたが運営してるサイトが高負荷の通信を発生させているとしたら、switch2osm.org を参考にデータの扱い方を調査し、他の利用者のタイル画像利用のを妨げにならないようにしてくださいますようお願いします。

寛大な寄付を行ってくれる団体、そして地域で活動するコミュニティに感謝します。OpenStreetMapのタイル配信インフラはこれからも進化し続けます。

OpenStreetMap Foundationはこれからも追加のタイルサーバを募集しています。もしタイルサーバの提供やホスティングに関心があるようでしたら、wikiの Tile CDN要件ページをご一読ください。また、OpenStreetMapを支えるその他の方法として、OpenStreetMap Foundationは寄付も受け付けております。

OpenStreetMap Foundationは英国に本拠を置く非営利団体であり、OpenStreetMapプロジェクトの支援を行っています。私たちは、自由な地理空間データの成長と開発と配信、そして誰もが利用・共有可能な地理空間データをすべてのひとに提供することを使命としています。OpenStreetMap Foundationは、OpenStreetMapプロジェクトのインフラを所有し、管理しています。

Mapazonia

過日、私たちはラテンアメリカ地域のOpenStreetMapコミュニティを結成し、そこで、ラテンアメリカ大陸の複数の地域をつなぐ共同マッピングプロジェクトを組織することを決定しました。

私たちの最初のプロジェクトは Mapazonia です。

mapazoniaアマゾンの熱帯雨林は9つの国家にまたがった流域を形成しており、数多くの環境調査機関や政府が、この地域で作業を行うにあたってより高品質の地理空間デー タを必要としています。さらに自然災害や、その他の人道支援の観点による対応が必要となる際にも、高品質なデータはかならず必要となります。そして、ブラジル北部の OSM編集者はあまり多いわけではなく、トレースされていない道路や、全くマッピングされていない町がいくつも存在しています。

アマゾン川流域は550万平方キロメートルもの流域を持つ、非常に広大な地域です。そのため、私達はいくつかの地域を優先エリアとしてTasking Managerに登録しました。既に、ブラジルでひとつ、そしてボリビアでもうひとつの活動が行われています。現在の主な目的は、河川のトレース、そして、描かれていない道路を描き出すことです。

近々私たちは、他の国や地域でも活動を始める予定です。もしアマゾン川流域の他の地域でマッピングに関心のあるかたがいたら、ぜひ活動に参加してください。編集を行ったら、変更セットのコメントに #mapazonia と入れてくれれば、私たちはあなたの編集をこちらの地図上で見つけ出すことができます。

私たちの活動のサイトはこちら: http://mapazonia.org で、Twitterアカウントは @mapazonia となっています。

アマゾンのマッピング、楽しみましょう!

Happy Christmas from OpenStreetMap

 

OpenStreetMappy Christmas Card すべての参加者に、OpenStreetMapからのハッピークリスマス。

このひとことはもしかしたら、ちょっと意味が違っているかもしれません。こうした投稿は企業のウェブサイトでよく見る内容ですが、このOpenStreetMapはプロジェクトです。そして、OpenStreetMapは共同作業であり、地図でもあり、データベースでもあり、コミュニティでもあります。ですが、企業ではありません。私がOpenStreetMapのことを例えるときによく使う言葉は “インターネットに煌めく星々の集合体/nebulous internet collective” です。OpenStreetMapは、私たち参加者すべてから成り立っています。もし私たちがOpenStreetMapとして “ハッピークリスマス” と声をかけるとしたら、それは私たちが、私たちひとりひとり自身に “ハッピークリスマス” を願うことだ、と考えると、このセンテンスはもうすこし意味が通ってくるかもしれません。私は、すべてのOpenStreetMapperが、お互いに幸せなクリスマスを願っていると信じています。

私たちはこのプロジェクトを通じて、オープンなライセンスの世界地図を創りだそうとしています。たとえあなたが他のマッパーに会ったことがあってもなくても、コミュニティで展開される議論に参加していてもいなくても、あなたはあなた自身の手で、世界を構成するひとつのピースを、世界中のみんなで組み上げるこのステキなパズルにはめ込んでいるのです。OpenStreetMapマッパーが隣にいることを思い浮かべて、ハッピークリスマスを伝えましょう。(もしかしたら、ハッピークリスマスじゃなくて、ハッピーホリデーだったり、謹賀新年だったり、時候の挨拶だったり、冬祭り万歳だったり、、、かも?)

そしてもちろん、OpenStreetMapを利用しているすべてのひとたちにもハッピークリスマスを。ウェブサイトに地図を埋め込んでいるひと、モバイルアプリに地図データをダウンロードしているひと、紙に地図を印刷しているひと、すべてのひとびとに。OpenStreetMapがみなさまにとって楽しいものでありますように。そして、私たちへクリスマスプレゼントのおかえしをするには、簡単な方法があります。あなたもぜひ、プロジェクトにご参加ください!

JOSM, Java OpenStreetMap Editorの新ロゴ

JOSM開発陣はここ数ヶ月の期間、ロゴデザインコンテストを実施してきました。そしてつい先日、彼らは最優秀作品を発表しました。こちらが、JOSMの新しいロゴです:

new-josm-logo 素晴らしいデザインを作成されたDiamond00744さん、おめでとうございます!

JOSMとは?

JOSMは “Java OpenStreetMap Editor” の略語であり、OpenStreetMapを編集する際に利用する編集ソフトのひとつです。JOSM以外によく使われるエディタは、ウェブサイト上で “編集” のボタンを押すことで一覧を表示することができます。その一覧の中で、現在最もよく使われているのは “iD” エディタです。JOSMはiDエディタとは異なり、ブラウザ上ではなく、デスクトップ上で別個のアプリとして動作するソフトウェアとなっています。 josm-screenshot-logo-hamlet Tordanikさんが提唱する “JOSMを使うと捗るポイント” のまとめ:

  • 作業効率: 考えぬかれた配置のショートカットや、きめ細かい検索機能、編集対象以外のデータを隠すフィルタ機能などを使うことによって、より素早い編集が可能。さらに、他のあらゆるエディタよりもひろい選択機能が実装されている
  • データ整合性チェック: データの妥当性チェック機能を使うことで、編集を実施したデータがクリーンであることをアップロード前に確認可能
  • オフライン編集: 作業をほぼローカル環境で済ませることが可能。GPS移動ログや写真などのプライベートな情報を、アップロードすることなく利用可能
  • 機能カスタマイズ: キーボードのショートカット変更や、特定のタスクに適したプラグイン機能の利用、実験的な機能やUIの有効化、エディタに表示させる地図の見た目の変更機能など
  • 最先端のマッピング: 3Dマッピングや、道路のレーン数といった最近注目を浴びるマッピングへの対応ツール実装

もちろん、JOSMが万能というわけではありません。あなたが選ぶエディタはあなたの好みによります。一般的な観点からすると、iDエディタは初心者が理解しやすいように作られており、OSM.orgのサイトをはじめて訪れたかたにも優しいデザインになっています。そしてJOSMはより豊富な機能をもち、経験を積んだマッパーたちに好まれる傾向があります。この傾向は、Oli Wanさんが管理しているwikiページ ‘エディタ毎の編集統計/Editor usage stats’ の統計にも現れています。彼が分析するところによれば、JOSMユーザは自身の行う編集内容に責任を感じる傾向があり、他方、編集を行うユーザの大部分は”iD”エディタを利用しています。もしあなたがまだ”iD”エディタしか使ったことがなく、上に挙げた特長のなかで気になる点がもしあるとすれば、いちどJOSMをダウンロードして使ってみることをお勧めします。JOSMのwikiページにあるガイドや、LearnOSM.orgなどにある手引きなど、編集方法のガイドやチュートリアルはいくつも存在しています。ただしどちらにしろ、まず最初は josm.openstreetmap.de からソフトウェアをダウンロードするところからスタートです (現在の最新版 version 7777は、新しいロゴで配布されています)。JOSMウェブサイトには、問題点を報告するイシュートラッカーや、ソフトウェアのコードリポジトリなども配置されています。

新規実装されたクエリ機能について

数週間前、私達はOpenStreetMap.orgホームページに新しい機能を追加しました。画面の右側に表示されている “?” マークをクリックすることで、地図に対してクエリをかけることが可能になっています。

  • openstreetmap.orgを表示し、ズームします
  • “?”マークをクリックし、クエリモードを起動します
  • 地図上のどこか気になった部分をクリックします
  • クエリ結果が表示されます。結果を選択するとより詳しい内容が表示されます

query_tool 地図上からクエリを実行すると、その地点を中心にOpenStreetMapデータベースに対してPOIの検索が行われ、そのPOIに対して付与されているタグ情報など、詳しい情報がデータベースから抽出されます。

単なる地図以上の地図を

この新しいツールは、OpenStreetMapがもつ非常に重要な側面を強調しています。すなわち、OpenStreetMapは単なる地図画像ではない、ということです。OpenStreetMapは地理空間情報を格納する巨大なデータベースであり、”標準の”地図表示ではそのすべてを表現することができません。その対応策として、例えば標準以外のレイヤ (例えば、サイクリングマップでは自転車ルート) を利用することで別の情報を表示させたり、”地図データ”レイヤを有効化することによって全ての情報を表示させることも可能ではあります。そして、このクエリツールはそれら以外の方法でOpenStreetMapのデータを可視化することができるもうひとつの機能であり、私たち貢献者がデータベースに追加した情報の詳細な内容を明らかにするものです。開発者にとって、これらのデータは可能性の世界の扉を開く鍵となります。すべてのデータは自由にダウンロード可能です。

State Of The Map – Thanks

OpenStreetMapコミュニティが集まる年次総会 “State of The Map”が先週開催されました。

今年のカンファレンス開催に携わったHenk Hoffさん、Gonzalo Gabriel Perezさん、Fernando Sanzさん、そして Nicolás Alvarezさんをはじめ、すべての方々に深い感謝を捧げます。彼らは様々な課題に立ち向かい、そしてそれらに打ち勝ってきました! そしてまた、今年のState of the Mapを支えてくれたスポンサーの皆様にも感謝します:sponsor logos

今年のカンファレンスも前年度までと同様、OpenStreetMapの友人たちと会合する素晴らしい機会であり、多種多様な地図の使い方や地図への貢献のショーケースであり、これからプロジェクトを先に進めるためのアイデアを混ぜあわせるるつぼのような場でした。そしてさらに、その場で発表を行った全ての発表者に感謝を捧げます。私達は現在、当日行われた講演のビデオを公開しようと考えています(もちろん、言うは易し、ですが)。[更新 ビデオの公開をこちらで開始しました] また、Flickrには ‘sotm14’とタグが付けられた写真が数多くアップロードされています。SOTM 2014のWikiページで公開されているプログラムからは、セッションごとに、Wiki編集が可能なサブページへのリンクが作成されて言います。ページの編集は自由ですので、是非、スライドデッキやその他の関連情報へのリンクを追加してみてください。

そして、非常に興味深い発表や講演に加え、カンファレンスとは別に、当日はいくつかの重要な事柄がありました。OpenStreetMap Foundationの選挙結果の公開です。

OpenStreetMap Foundation選挙結果

これまで行われていた選挙と同様、SOTMカンファレンスの期間中にOpenStreetMap Foundation年次総会が開催され、新しい理事の選出が行われました。選挙では、Frederik Rammさんが再選し、Kathleen Danielsonさんと Paul Normanさんが、辞任を表明したMatt Amosさんと Simon Pooleさんの代わりに、新しく理事として就任しました。新しく就任された理事のかたがたに期待するとともに、選挙運営に関わったすべてのかたがたに感謝します。選挙に関するより詳しい情報はwikiに記載されています。

新機能 ‘?’

過去のカンファレンスでもそうだったように、何人ものOpenStreetMap開発者が、カンファレンスのあった週末にあわせて様々な機能の開発を行ってきました。今年、私達は新しく ‘?’ ボタンをopenstreetmap.orgページの右側に配置しました。ぜひボタンを押して試してみてください! 近々、より詳しい情報が公開されると思います。

OpenStreetMapラテンアメリカのスタート

そして新しく、OpenStreetMapラテンアメリカ・グループが新しくカンファレンスの期間中に開始となりました。彼らは自分たちで ‘talk-latam’ メーリングリストを開設し、“State Of The Map Latin America”カンファレンスを開催して、世界中で行われているカンファレンスの環に加わろうと計画しています。これは素晴らしいニュースであり、私達がブエノスアイレスに訪れたことによる素晴らしい成果です。私達は世界各地で年次大会を開催し、OpenStreetMapの楽しさを津々浦々に響かせたいと考えています。このような形でグループが形成され、活動を始めたことはまさに私達が期待していたことでもあります。南アメリカのコミュニティがOpenStreetMapにとって非常に重要であることは論をまたない事実であり、今年のカンファレンスが南アメリカで行われたことは非常に喜ばしいことです! 美しい都市ブエノスアイレスで、アルゼンチンのOpenStreetMap貢献者たちがStete of the Map 2014をホストしてくれたことに感謝します。