Author Archives: Courtney Williamson

OSM財団広報 企業スポンサー向けメンバーシップガイドラインの改定

OpenStreetMap Foundation(OSMF)は、OpenStreetMap(OSM)のデータを製品やサービスに利用する企業や団体向けの新しいガイドラインを発表しました。 この新しいガイドラインでは、OSMデータを使用・編集する事業体とOSMプロジェクトの間の権利と責任を明確にし、また、事業体が資金提供やアドバイザー的な立場で地図を支援する方法についての指針を示すものです。

抜粋:

  • ブロンズ・レベル以上の法人会員は、OSMF諮問委員会の参加権が与えられます。
  • これまでと比較して、年会費は50%増加します。
  • OSMFが行う「コンサルテーション」が、最上位である「プラチナ」レベルの特典として追加されました。
  • それぞれのメンバーシップのレベルに応じて、新しい指針が示されました。 

ツール、編集、スポンサーシップ、寄付でOSMを支えるという伝統

OSMF理事会に長く在籍するMikel Maron氏は、ブロンズレベル以上の企業メンバーに諮問委員会への参加権を開放することは、委員会がコミュニティに提供する価値の直接的な結果であると指摘しています: 「OSMを利用し、改善している組織と関わることができるのは、OSMの計画と運営において貴重な洞察の源となります。特に、相談や財政的な貢献など、それ以上のことをしてくださる組織には感謝しています。これらの組織の多くは、長期にわたってプロジェクトの共同開発者や友人として貢献してくれています」 Maron氏は、OSMF企業メンバーシップのガイダンスと価格変更は、OpenStreetMapの財務管理を改善するための全体的な施策の一部であると指摘しています。

The ability to engage with companies who use and improve OSM is a valuable source of insight in our planning and operations. We especially appreciate companies who go above and beyond in their willingness to both consult and contribute financially. Many of these organizations have served as co-developers and friends to the project for the long term. ” –Mikel Maron, OSMF board member

2023年に初のプラチナ会員となったTomTomをはじめ、ゴールド会員としてMapbox、Esri、Gojek、Grab、Graphhopper、Meta、Microsoftなどが、法人会員としてOSMを支援してくださっています。 また、新ガイドラインのもとで最初にOSMFの法人会員に登録くださった2社も温かく歓迎します: StadiaMaps、そして最初の政府機関としてイリノイ州Kendall郡が法人会員に加わっています。

OSM企業会員の一覧

2024年以降のOSMF財務状況

理事会が公開している第二次戦略計画草案では、以下のようないくつかの重要な財務目標が示されています:

  • 収益戦略の更新
  • 財務管理方針の確立
  • コミュニティへの財政的支援提供
  • 財政インフラの強化

戦略計画の前文では、理事会はOSMプロジェクトで必要となる規模に対し、新しいアプローチが必要になると述べています “OSMFの主な焦点は、インフラが利用可能であり続けることを保証することでなければならない… [and for] OSMがボランティアによって推進されるプロジェクトであり続けるためには、ボランティアに過度の負担をかけないように注意する必要がある。 OSMFは、財政面そして運用面のサポートを行うことで、これを支援することができる。

OSMプロジェクトの現在の規模は、決して大げさに誇張しすぎることはない。OSMのボランティアは過去約20年間で80億のデータポイントを地図に書き加え、毎月何億ものAPIコールが行われている。OSMデータを利用することで、よりスマートな都市の構築、交通渋滞の緩和、サプライチェーン問題の解決、気候変動研究の推進、人々が食料を育てたり、きれいな水を見つけたり、医療やその他の助けを求めたり、ローカルビジネスを構築したりする手助けなど、数多くのユースケースが存在しています。OSMの編集者はまた、数百にも及ぶ人道的なユースケースを通じて、何百万人もの人々を支援しています。 アクセンチュアの試算によれば、そのデータが企業や政府に提供する価値は数十億ユーロにのぼると見積もられています。 

The use cases for OSM data include building smarter cities, reducing traffic congestion, solving supply chain issues, powering climate change research, and helping people grow food, find clean water, reach medical and other kinds of help, and build local businesses. OSM mappers also help millions of people through hundreds of humanitarian use cases

OSMは、このような世界規模のプロジェクトであるにも関わらず、財政的コストは比較的小規模です。OSMFは、フルタイムの職員1人、パートタイムの少人数のスタッフ、そしてすべてボランティアの理事会という、極めてスリムな非営利団体として運営されています。 より多くのシステム管理者、プロジェクト管理、ローカルコミュニティを支援するためのリソース、そしてインフラやクラウドのコストをまかなうための資金が必要とされています。

OSMFの財政ガバナンス詳細

組織として個人として関わる、OpenStreetMap支援の方法

個人や組織としてOpenStreetMapを支援しようとする場合、以下のような方法があります:


The OpenStreetMap Foundation is a not-for-profit organisation, formed to support the OpenStreetMap Project. It is dedicated to encouraging the growth, development and distribution of free geospatial data for anyone to use and share. The OpenStreetMap Foundation owns and maintains the infrastructure of the OpenStreetMap project, is financially supported by membership fees and donations, and organises the annual, international State of the Map conference. Our volunteer Working Groups and small core staff work to support the OpenStreetMap project. Join the OpenStreetMap Foundation for just £15 a year or for free if you are an active OpenStreetMap contributor.

コミュニティ協議事項: OSMF戦略計画 第2稿

OSM財団理事会は、この3ヶ月間の作業のなかのひとつとして、OSMF戦略計画を改訂してきました。そしてこのたび、OSM財団会員、そしてOSMコミュニティからのフィードバックを得るため、理事会は書き直された計画をここに共有します。

戦略計画の最新版はこちらです。 あなたが感じたこと、考えたことを、ぜひコミュニティフォーラムメーリングリストで共有してください。

抜粋: 

以前のバージョンに対するみなさんのフィードバックは、現在の状況を形作るにあたり、極めて役に立ちました。この文書では多くの変更が見られます。  

  • 計画に前文を追加し、私たちの現在地と進むべき方向について全体像を示しました。
  • 計画は、OSMF理事会がその活動を組織する4つのクラスタ(技術インフラコミュニティ開発、制度開発、財務ガバナンス)を骨子としています。 
  • これらのクラスタにはそれぞれ目標が設定され、主要な行動についても言及されています。さらに重要な点として、OSMFのどの部門がその具体的な活動内容を模索し、実行に移す責任があるかが示されています。
  • 全体として、計画はより簡潔で明確なものとなり、OSMFの活動を理解するための確かな基礎となっていると考えています。

次の活動 

私たちは今後3週間、継続的にフィードバックを検討し、その後、9月中旬に予定されている会合で討議します。しかる後、フィードバックに基づいた追加修正を行い、2023年9月21日の9月理事会にて計画を正式に採択する予定です。

ぜひ、みなさんの考えをお聞かせください。そして、このプロセスに参加してくださるすべてのひとに感謝を!


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OpenStreetMap、誕生日おめでとう

OSMは19歳を迎えました — 私達はその歩みを支援するため、オンラインのファンドレイジングキャンペーンを開始します。

18年前、OSM創始者 Steve CoastさんはOpenStreetMapの最初の誕生日を一緒に祝おう、と呼びかけました。

2025年、OpenStreetMapの周辺は目まぐるしく変わってゆきました。World Summit on Free Information Infrastructures (WSFII, 自由な情報インフラのための世界サミット)のような会合や、オープンな地理データ創造キャンペーンガーディアン誌のような大メディアで取り上げられたこの報道など、オープンデータの潮流はより広範に、勢いを増してゆきました。 8月に開催された最初の誕生日の後、OSM.orgにおいてOSMのフロントエンドが公開されます。それから時を置かずして、”旧式で恐ろしほどのアレ“のかわりに、新しく”最新式の”アプレットが導入されます。

2006年にかけて、OSMerは世界中をマッピングして回りました:

OSM誕生日のこれまで

2014年にOpenStreetMapが10歳を迎えたとき、ロンドンのバー Strongroom で最初の誕生日イベントが開催されたときよりも、誕生日イベントの数は大きくその数を増やしました。実際、当時はそれらのパーティの位置を示した地図が作られたほどです。

OSM wikiの “誕生日/Birthday” セクションには、これまで開催されたOSM誕生日記念マッピングパーティの写真や注釈が、宝物のように眠っています。

もしOSMの19歳の誕生日を祝ってくれるかたがいらっしゃれば、ぜひその写真をシェアしてください 🎂

OSMの19歳の姿

OpenStreetMapは、オープンソースで、参加者の努力によって生成される地理空間プロジェクトとして、常に最大のものであり続けています。正式に設立された地域支部の数は5大陸中で18に渡り、 さらに数十のローカルコミュニティが、世界中のほぼすべての国で、50以上の言語による数百のコミュニティチャンネルで会話を交わし、共同作業を続けています。その地図とデータは、いまや世界的に認知された地理空間情報源となっています。APIは数百万人に利用され、コミュニティは意欲的で才に富み、文化的にも地理的にも多様性に満ちています。 OSMは昨年、プロジェクトの規模と影響範囲を考慮し、サイトの安定性に関わる初めて有給エンジニアを迎えました。

image credit: Kate Varfolomeyeva, 2023

2023年、OSMがコミュニティメンバーにとってどのような意味を持つかより深く知るために、OSMを愛する理由について聞いてみました。その答えの一部をご紹介します:

Image Credit: Kate Varfolomeyeva, 2023

いまこの時がOpenStreetMapにとっていかに重要な瞬間なのか、おわかりいただけるでしょうか。そのデータは世界で最も差し迫った課題を解決するために役立っており、地図作成を容易にする新しい技術があり、そして、それに取り組む熱意はかつて無いほど高まっています。

こうした課題と機会に対応するため、OSM財団理事会は、プロジェクト管理、エンジニアリング、フロントエンド開発などのスキルに戦略的に資金を提供し、多様で誰もが参加できる地図を育て上げるための奨励金やスポンサーシップを提供することで、拡大を続けるボランティアコミュニティを支援するための戦略的計画の策定に取り組んでいます。  

だからこそ今、OpenStreetMapのこれからを守るために、あなたの時間とお金を分け合ってください。

OSM誕生日のこの日、これから広がる未来への支援を

本日よりOSMFは、OSMの未来を支援するため、オンラインのファンドレイジングキャンペーンを開始します。みなさんに、これらのことをお願いしたいと考えています:

  1. OSMの誕生日について、寄付の呼びかけを添えてSNSへ投稿したり、シェアしたりしてください。誕生日を祝う活動の写真と共に、ハッシュタグ #HappyBirthdayOSM#WeAreOSM 、そして https://donate.openstreetmap.orgへのリンクを使ってください。
  2. OSMの未来のために、大小関わらず、あなたができるギフトを贈ってください。世界各国からの贈り物でOSMを支援することで、私たちのグローバル・コミュニティの強さと懐の深さを示すことができます。
  3. 地図の編集をしましょう! 🗺

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OSMにとって State of the Map カンファレンスが大切な理由

State of the Map(SotM)カンファレンスに参加されたことがある方なら、SotMはGISや地理空間に関する最高の知識、スキル、トレーニングが提供される場であることをすでにご存知でしょう。SotMはその上、楽しく魅力的な社交の機会がたくさんある素晴らしいネットワーキング・イベントでもあります。もしあなたがOpenStreetMapコミュニティに参加したばかりで、まだSotMに参加したことがないのであれば、あるいはSotMのスポンサーになろうと考えている会社の一員で、チームを派遣して参加しようと考えているのであれば、この投稿はまさに、そんな方々のためのものです。

Image credit: Parker Michels-Boyce Photography. Please tag @OpenStreetMapUS in social media posts when using these photos.

SotMとは?

OSMerは、地図データの改善という共通の目標に向けて、コミュニティを築き、ツールやリサーチを共有し、お互いにネットワークを作る手段として、State of the Mapでの会合を毎年開催しています。 その規模は様々で、ローカル、リージョナル、グローバルに組織されていますが、その目的はいつも同じです。  ローカルとリージョナルのSotMは地域コミュニティによって組織され、グローバルSotMはOSM財団によって組織されます。 

State of the Mapカンファレンスは、OSMマッパー、コミュニティ活動家、オープンソース開発者、大学や学術機関の研究者、デザイナー、地図製作者、民間企業や公的機関の技術専門家などの架け橋となります。

議題となるトピック

トピックの範囲は、コミュニティと同様に多岐にわたります。プレゼンテーションの種類は、5分間の”ライトニング・トーク”から15~20分のプレゼンテーション、75分のワークショップまで様々な種類があり、トピックも、ウェブサイトやツールの開発、データ分析、人道マッピングなど、様々です。プレゼンターは地域コミュニティ、Youthmappers、HOTOSM、maplibre、FOSS4G、学界、その他の非営利団体、大小の企業に所属しています。

2022年にイタリアのフィレンツェで開催されたグローバルのSotMは、SotMで代表される情報やスキルの幅広さを示す良い例です。 セッションのタイトルの一部を紹介しましょう: “ベクトルタイルとしてのOSM Carto; OpenStreetMap派生データベースのイノベーション”, “小さな街のマッピング”,  “maplibre-rs: Rustを使ったクロスプラットフォームの地図レンダリング”、”10年目のiD Editor-これからの道筋”、”OSMを使ったアマゾンの森のリバーサイドコミュニティのマッピングにおける女性のリーダーシップ”などです。

これらはほんの一例です。  全プログラムプレゼンテーションの録画はこちらにあります。ポスター展示はこちら – はい、2022年のSotMでは、壁さえも知識に満ちてます! そして、こちらは学術的な講演発表の要約になります。

このようにして、SotMは地理空間技術、OpenStreetmap、フリーでオープンなソフトウェアやデータの未来に興味のあるすべての人へ、インスピレーションと知識を提供します。

OpenStreetMapコミュニティは1年365日、最高の世界地図を共に作り上げています。State of the Map USは、最高のコミュニティを構築するために、実際に数日間を共に過ごすチャンスです。 このイベントは、 多様なトピックと参加者が集まる、地理学におけるユニークな取り組みです。民間企業、個人の趣味家、学界、政府機関が一堂に会し、ネットワークを広げ、革新し、学び合うのです。

 
 –Maggie Cawley, Executive Director, OSMUS

State of the Mapカンファレンスへのスポンサリングが重要な理由

はい、その理由もまた、多岐に渡ります!

  • すべてのSotMで共有される専門知識は、OpenStreetMapの品質へ直接影響します。
  • OSMから利益を得ている企業は、データの帰属を表示するだけでなく、コミュニティをサポートするべきです。OSMFを通じたプロジェクトへの 寄付、SotMへのスポンサー、企業会員になること、ツールやデータを共有することは、感謝の循環を回すものです。
  • OSMFは素晴らしいリクルーティングの機会でもあります。GISと地理空間における最高の頭脳が一堂に会する場所が他にあるでしょうか?
  • プロフェッショナルとして成長する絶好の機会です。OSMを使って活動する他の会社とつながり、他のエンジニアやアナリストから学び、何十もの興味深い新しいツールやプロジェクトから刺激を受けることができます。
  • 企業の社会的責任を通じて、ブランドの認知度を高めることができます。より良い世界を作るために投資している企業に対して、顧客のロイヤリティが高いことはよく知られています。

SotMはあまりにも多く開催されており、ここですべてを紹介することは難しいのですが、最近の例をいくつか紹介します。

2023年に開催されるSotMへの支援

リージョナルのSotMとして4つの大規模なイベントが控えており、その全てがスポンサーを必要としています。

FOSS4G Oceania
Aukland, 2023年10月16〜20日: sponsorship prospectus

このカンファレンスはFOSS4GとSotMを1つのイベントに統合し、オセアニアのオープンソース地理空間への取り組みに焦点を当てます。このカンファレンスはオセアニア地域の地図作成者に、開発者とユーザーのグローバル・コミュニティへの接続機会を提供し、OSGeoとOpenStreetMap財団の支援を受けています。メルボルン、ウェリントン、スバで開催された前回のFOSS4G SotMオセアニアカンファレンスは圧倒的な成功を収めました:

  • メルボルンとウェリントンは完売し、各カンファレンスに250人以上が参加
  • 参加者はオセアニアだけでなく、カナダ、イギリス、アメリカなど14カ国以上から
  • 参加者には、GISの専門家、開発者、趣味者、人道支援活動家、政府機関などが含まれています

State of the Map EU
Antwerp,  2023年11月10〜12日:  sponsorship prospectus

このカンファレンスは、多様な人々が出会い、OSMの利用や改善のための知識や経験、計画を交換する機会を提供します。ヨーロッパをはじめ世界中から約400名の参加が見込まれています。この会議はハイブリッドイベントとして開催され、直接参加できない場合はライブストリームで追加参加することが可能です。

“State of the Mapは、プロジェクト全体の鼓動を最も身近に感じられる場所です。グローバルなSotMは世界中を駆け巡ることができますし、そうあるべきです! しかし、ヨーロッパに存在するあまりにも多くのマッパーとデータユーザーのために、大きなOpenStreetMapカンファレンスが2年連続ヨーロッパで開催されることは今後ないでしょう”

–Joost Schouppe, OSM Belgium, co-organizer of SotM EU 2023

State of the Map Asia
Bangkok, 2023年11月21〜25日: sponsorship prospectus 

昨年フィリピンで開催されて成功を収めたSotM Asiaは、今年、タイのバンコクで開催されます! アジア地域のみならず世界各国から300-500人の参加者を集め、OpenStreetMapやオープンデータツール、プロジェクト、課題、そしてアジアの多様な文化を紹介し、つながり、議論したいと考えています。

State of the Map Africa 
Cameroon, 2023年12月1〜3日: sponsorship prospectus

OSMアフリカはアフリカ大陸の国々におけるOpenStreetMap貢献者、利用者、支援者の地域コミュニティです。これにはマッパー、科学研究者、人道主義者、NGO、政府機関、中小企業、そしてアフリカ大陸内に事業を持つ、または支援するグローバル企業などが含まれます。このネットワークは、アフリカにおける地理空間データの質、完全性、持続可能性を高めるために、OpenStreetMap上でアフリカの完全かつ詳細な地図を成長させ、作成することを目的としています。

 

データモデルに関する意見募集

データモデル研究

OpenStreetMap Foundationのエンジニアリングワーキンググループ(EWG)は2022年の初頭、既存のデータモデルをどのように改善するかについての調査を発注しました。 Jochen Topf氏は、OpenStreetMapのデータモデルをより計算効率がよく、よりアクセスしやすくする方法に関する提案を含む、この研究の結果を提供しました。

研究結果では、2つの重要な提案が成されています。

  • ポリゴンを表現するためのareaデータ型の導入
  • タグ無しノードの削除

コミュニティでの協議

このプロセスの次の段階を決定するにあたって、私達は開発者のコミュニティとより多くの議論を行いたいと考えています。なぜなら、提案された変更は、直接または間接的にデータモデルに依存しているOpenStreetMapソフトウェアに影響を与えるからです。

潜在的な利点

エリアの複雑さの低減

OSMにはまだAreaデータ型が存在しないと聞いて、驚くマッパーもいるかもしれません。iDエディタにはポイント、ライン、エリアを描くためのボタンが用意されています。マッピングをすると、期待通りの形状がマップに表示されます。OSM wikiでは、それぞれのタグが通常、エリアに使用されるかどうかを文書化していますし、Overpass Turboでもクエリでエリアを指定することができます。

しかしこれらのエリアは、裏側ではウェイやリレーションとして表現されています。OSMデータを扱うそれぞれのツールは、特定のウェイがラインを表すのか、エリアを表すのか、独自のルールを使って推測しています。エリアをOSMデータモデルの適切な一部にすることで、アプリケーション間で一貫した解釈が可能になり、壊れたエリアデータがアップロードされるのを防ぐAPIが実現可能になり、最終的には非常に大きなエリアの部分ダウンロードのサポートにつながるかもしれません。

OSMデータの処理容易化

現在、ウェイは複数のノードへのリファレンスで構成されており、これらリファレンスの状態を確認することによって、ウェイ同士がどのように接続されているかを決定しています。これらノードへのリファレンスによる座標解決は、OpenStreetMapのツールチェーンを用いた場合、高性能なハードウェアであっても数時間から数日かかるため、コストの高い処理となっています。

将来的に、私達はウェイを緯度経度の単純なリストとしてモデル化するかもしれません – ただしこれは、最終的に行われる実装によります。これは大きなパフォーマンス上の利点をもたらしますが、タグなしノードの削減は重要な変更となります。

一見しただけでは、性能の向上があまり見込めないように思えるかもしれません。しかし、私達のデータを容易に扱えるようにすることは、OpenStreetMapが世界全体にとっていかに有用であるかに直接影響します。Jochen氏の観察によれば、「この目的は、OSMデータを使うにあたって数十億ドル規模の企業だけでなく、ノートブックで世界地図を作りたい学生や、寄付された中古のコンピュータを持つ活動家も利用できる素晴らしいリソースとしてあり続けることができるようにすることにあります」

よりよい履歴情報の提供

ウェブサイトの履歴タブで実際に表示できるものがいかに少ないかに気がついた時、多くのマッパーは残念さを感じます。OSMChaやAchaviのような多くのツールがありますが、それらを使うにはある程度の熟練が必要です。

これはなぜなのか、と問われるかもしれませんが、答えは非常に技術的なものです。ウェイを表現するバージョンでは、多くの場合、座標情報が管理されていません。変更内容のトラッキングが比較的初心者にとっつきにくいツールで、専門的な分野にとどまっているのはこのためです。データモデルを変更することで、この障壁から開放され、より優れたツールの開発がきたいできるようになりますが、ウェイのバージョンと座標情報を適切に取得できるようになるまで、それは実現しえません。

分単位でのベクトルタイル生成

現在、ベクトルタイル生成には多くの成熟したツールが存在していますが、まだいくつかの課題が残っています。

  • ひとつは、openstreetmap.orgのためのベクトルタイルにどの機能を入れるか。
  • もうひとつは、許容できるレベルのベクトルタイルのパフォーマンスと、分単位での更新をどのように調和させるか。

もしタイルの生成を本当に並列化できるだけではなく、変更されたウェイがどのタイルに含まれるかを見つけ出すという、コストの高い最初のステップを省略することができれば、この作業は一段と簡単になります。

また、その処理のために必要となるコンピュータパワーをカプセル化する方法を開発できる人を見つけられるかもしれません。ただしその場合でも、これはそのパートナーへ依存度としては極めて望ましくありません。

つまり、データモデルの変更を行わなかった場合、openstreetmap.orgで分単位の変更を行うベクタータイルの実現は、可能ではありますが非常にコストが高く、特別なハードウェアが必要となります。

未来に声を上げよう

今後、何かしらの変化は避けることができません。OSMデータベースの成長速度はハードウェアの高速化スピードを上回っていますし、IDベースのデータモデルではすべての処理を並列化して高速化することが不可能です。変化に対するこれまでの対応は簡単でしたが、これからはさらなる工夫が必要です。将来的には、分単位での変更に対応するための特別なハードウェアが必要になるかもしれません。

しかしながら、この課題に対しては様々な対応方法が考えられます。今こそ、開発者コミュニティで意見を出し合うチャンスです。


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OSM.orgへのコミュニティタブ追加のご紹介

OSMコミュニティを発見し、つながるための新しい方法が増えました。

OSM.org の右上に “コミュニティ” タブが追加され、正式な地域支部とその他OSMコミュニティの一覧を表示する単一ページにリンクされています。 多くのOSMコミュニティが存在しており、OSMが急速に成長していることを考えると、それぞれのコミュニティにコンタクトをとるための目立つ方法を追加するにはよい時期であると言えるでしょう。

LCCWGメンバーのJoost Schouppeさんによれば、この新しいタブは、「おそらくosm.orgで地図メモ機能が追加されて以来、最も目につく変更」とのことです。

新しい “コミュニティ” ページに移動すると、地域支部の一覧データが OSM Community Index (OCI) を介して動的に配信されていることがわかります。 実のところ、このプロジェクトで最も難しかったのは、単に地域支部の一覧を静的コンテンツとして追加するのではなく、OCIデータをページに統合する方法を見出すことでした。「OCIを介することで、新しい支部が追加されたときに自動的に更新されますし、すでにサポートしている46の言語から支部名の翻訳をすべて再利用できるのです」と、ウェブサイトの管理者であるAndy Allanさんは述べています。   

今のところ、あまり公式化されていない他のコミュニティをすべて動的に把握する方法はありませんが、「その他のグループ」のセクションを追加することで、その存在を強調し、より多くの情報への道筋を示すことができるでしょう。  

LCCWGのメンバーで、このプロジェクトにも参加したAdam Hoyleさんは、「これはまだスタート地点に過ぎません」と言います。  「理想は、人々やコミュニティがお互いを見つけるための、より優れた集中型ページに成長させることです」と述べています。 

地域支部の一覧を表示することは、基礎となる様々な技術的課題が解決された今、実現可能な事柄の表面を削ったに過ぎません。 例えば、新しいマッパーが自分の活動地域をプロフィールに設定すると、地域フォーラムやマッピンググループの一覧が表示され、自分の活動場所に合わせたコミュニケーションチャネルがすぐに個人ダッシュボードに表示されるようになります。 

“コミュニティ”のページをさらに改善するためには、ボランティアの協力が不可欠です。 「このコミュニティ情報はすでにOCIの中にあるものです。なので、あとはこの統合活動を拡充してくれる人が必要です」とAllanさんは述べています。Schouppeさんは、「この課題は2020年10月からLCCWGの議題になっており、Adamさんは2021年1月に作業を開始しました。私たちは皆ボランティアなので、osm.orgのウェブサイトを進化させるには多くの時間と労力が必要ですが、この作業が実現可能であることを示しています」と述べます。

→ OSM.org の開発に参加するには、メインの作業場所となる Github 、そしてぜひこの issue を御覧ください。Issueでは多くの既存の pull request が表示され、どのように貢献するかのアイデアが示されています。

→ 地域コミュニティの成長を支援するLCCWGの活動をサポートするには、LCCWGのチャンネルに参加してみてください。

 忍耐強く作業を進めてくれたAdam Hoyleさんに感謝の意を表します。  時間がかかったとはいえ、これにより、技術的な基盤が整備され、将来の作業への礎を築くことができました。さらに、OCIチームの協力によって行われたOCI側の構成変更によって、  翻訳された文章を簡単に扱えるようになっています。-Andy Allan


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