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Welcome OpenStreetMap UK

日本で開催されたSotMのニュースが続きます。私たちはカンファレンス期間に、いくつかの地域支部をアナウンスしました。まずはOpenStreetMap United Kingdomです!

日本で開催されたState of the Map 2017において、OSMUKとの地域支部合意が調印されました。
左から: Frederik Ramm, Ilya Zverev, Jon Harley, Rob Nickerson, Gregory Marler, Paul Norman, Martijn van Exel

この新しい地域支部はその他の支部と同様、正式に登記された組織 (今回の場合はUKの“コミュニティ利益会社/Community Interest Company”) であり、OpenStreetMapに関する興味を深めることをミッションとして定め、OSMFと協働しますが、その活動を特定の地域にフォーカスしています。

英国支部の文書で定められている活動目標は以下のとおりです

  • UKにおけるOpenStreetMapの質と量を高める
  • 英国におけるOpenStreetMapコミュニティ規模とスキル、ツールセットと連帯を強める
  • 英国における個人および団体のOpenStreetMapデータの利活用を広報し、促進する
  • 英国組織によるOpenStreetMapに適用可能なデータの公開を広報し、促進する

英国はOpenStreetMapプロジェクトの生まれ故郷であり、設立当初からいまでも、法人としてのOpenStreetMap財団の登記地域であり続けています! しかし、OSMFは全世界を活動のスコープとしており、その所属メンバーや貢献者、リソースも世界各国から集まっています。英国コミュニティも長い間、メーリングリストIRCチャンネルフォーラムなどで活動を行ってきましたが、つい最近まで、公式にこれらの活動を支援する組織体は設立されていませんでした。OSMUKはウェブページ (osmuk.org) を開設しており、UK特有の事情を汲み取ったコミュニティ形成と、行政/企業の巻き込み施策を行ってきました。OSMUKの記事 Why our Local Chapter status matters も参照ください。

もしあなたが英国OpenStreetMapに所属しているならば、OSM UKにぜひ参加ください! そして新しく設立された loomioグループでの議論にご参加ください。

カンファレンスで地域支部として調印されたのはOSMUKだけではありません。続報にご期待ください! 地域支部の設立と認定に興味のある方は、Local Chapters pageの記載をぜひご覧ください。

OpenStreetMapアワード

DINACon digital sustainability


OpenStreetMapコミュニティはDINAConカンファレンスにおいて、デジタル・サステナビリティ賞を受賞しました。

OpenStreetMapはさまざまな観点においてサステナブルです。私たちのデータベースはそのすべてがダウンロードできることで、プロジェクト貢献者による熱意のこもった活動の成果がどのような状態においても保証されるだけではなく、私たちのコア・サーバですらも、これまで数年間にわたってOSMFに対して行われてきた多くの寄付や、企業メンバープログラムによる基金形成がその源となっています。そしてなによりも重要なことは、私たちコミュニティが健全に成長し、新しいメンバーを引き寄せ、かつまた、長期にわたって活動を行う素晴らしい貢献者たち (この賞の主な受賞者) が常にそばにいることです。OpenStreetMapをサステナブルな活動にしてくれているすべてのひとに、感謝します。

また、このカンファレンスでOpenStreetMapのセッションを運営し、今回の授賞に貢献してくれたSimon Pooleさん、Stefan Kellerさん、Michael Sprengさんにも感謝を申し上げます。

そしてもう一つ、賞の話題があります、、、

OpenStreetMapアワード 2017

8月に日本で行われた私たちのカンファレンス、国際Stete of the Mapにおいて、私たちはOpenStreetMap大賞のセレモニーを行いました。もし現地にいなかったかたのために、以下がその受賞結果です:

  • The Core Systems Award went to Kevin Bullock – For making available two new satellite imagery layers directly from DigitalGlobe, which drastically increased coverage in OSM editors
  • The Innovation Award went to Tobias Zwick – For the StreetComplete android application, which drives thousands of attribute edits to OSM
  • The Influential Writing Award went to Ramani Huria – Great blog posts about community, mapping, techniques for OpenStreetMap in Tanzania and Africa.
  • The Greatness in Mapping Award went to Jochen Topf – For the global polygon fixing effort, which updated all the old-style multipolygons and continues to fix thousands of errors every day
  • The Expanding the Community Award went to Pete Masters – For 4 years as Missing Maps project coordinator, introducing countless contributors to OSM, supporting communities in Bangladesh, DRC, CAR and many other countries. Remarkable outreach for humanitarian mapping & OSM in general.
  • The Improving Latin America Award went to GeoChicas – Working against sexism and making projects to integrate OSM’s users
  • The Improving Africa Award went to the State of the Map Africa Organising Team – For putting huge efforts into making SOTM happen in Africa for the very first time
  • The Improving Asia Award went to Humanitarian OpenStreetMap Team Indonesia – For training disabled people and their carers to map the areas they live. A great example of how inclusivity and diversity can by both fostered and supported by OpenStreetMap
  • The Ulf Möller Memorial Award went to Martin Raifer – For the Overpass Turbo web based data mining tool.

OSMアワードウェブサイトではすべての候補者と、その候補理由が一覧になっています(このブログでも言及しています)。一読の価値があります、ぜひご覧ください。この一覧は、2016年から2017年にかけてOpenStreetMapで行われた個人による目覚ましい貢献活動のリストです。すべての候補者のみなさま、おめでとうございます。

State of the Mapスカラーたちの経験

State of the Map 2017において、私たちは15名のスカラーを迎えられたことを嬉しく思います。スカラーたちが参加することで、文字通りこの世界のあらゆる街角から、私たちが共に集い、それぞれがマッピング活動の経験を共有するState of the Mapというひとときがコミュニティに対してかけがえのないものとなりました。

イベントのスポンサーそしてSotM開催チームによるたゆまぬ活動が実り、今回はState of the Map史上はじめて、VISA取得とスカラー参加率が100%となりました。VISA発行は非長い期間、完了的な対応を続けるというまさに苦行です! 今回の作業をサポートしてくれた Dorotheaさん、そして世界各国の日本領事館のみなさまに、改めて感謝を申し上げます!

私たちはスカラーに対し、短いメッセージではありますが、今回得られた経験について質問をしてみました。そのどれもが素晴らしく、これからの活動にインスピレーションを与えるものです。OpenStreetMapを愛するみなさま、ぜひご一読ください! いくつか、文章から引用します。

 

Anisa Kuci – full post
“参加者から寄せられた質問に答えた後、3日間どれに参加するか楽しみに眺めていた、数々の素晴らしい発表やワークショップ、ライトニングトーク、そしてカンファレンス3日目に開かれたローカルチャプターとOSM財団がどのように助け合うことができるかについて意見交換を行うミートアップを楽しむ準備ができました。さらに、私たちはアルバニア語を話すコミュニティがチャプターとなることを望んでいるということを共有する機会に恵まれました。”

Georgia Marina Andreou – full post
“スカラーシップによって、文化的遺産の自然な流れのもつ影響力に気づきをもつチャンスを得ただけでなく、マッピングが持つ真の力を垣間見ることができました。カンファレンスに参加した後、これからのマッピングについていくつものアイデアが私の頭に浮かんでいました。”

Jaisen Nedumpala – full post
കോണ്‍ഫറന്‍സില്‍ പങ്കെടുക്കുന്നതിലുപരി, ഒരു വികസിത രാജ്യത്തെ സ്ഥിതിഗതികള്‍ നേരിട്ടു കണ്ടു മനസ്സിലാക്കണമെന്ന ആഗ്രഹം കൂടിയുണ്ടായിരുന്നു മനസ്സില്‍.

Marco Minghini – full post
“プレナリーセッションのなかで行われた次回のState of the Mapカンファレンスの公式アナウンスは、私にとってSotM 2017の忘れられない思い出となりました。私の大学 (Politecnico di Milano) は2018年7月28日〜30日、イタリア・ミラノでカンファレンスをホストします! このアナウンスメントができたことは大変嬉しく、鳴り止まない拍手と喝采が続きました :)”

Samaila Alio Mainassara – full post
“Cette participation m’a permis de découvrir l’écosystème OSM à travers les échanges et le partage d’expériences avec les différents participants.”

Selene Yang Rappaccioli – full post
“El espacio de discusión que se realizó durante ésta última edición del SOTM Internacional, contribuyó a crear diálogos, conocer perspectivas y esclarecer dudas sobre la necesidad de construir, no sólo el mapa más completo, sino también la comunidad más completa, donde se abarquen las diferencias, multiplicidades, diversidad de miradas y diferentes relatos y experiencias.”

Sidorela Uku – full post
“地図とは、単なる世界を写し取った可視化の結果を超えた何かである、と私は気が付きました。そこには人の営みがあり、命を救うことと同じような重要さを持ち得ます。このカンファレンスは私の感情を揺さぶっただけではなく、いくつものインスピレーションをもたらすものでした。これから私も一層活動に力を入れようと思っています。私ん中にある多くのアイデアを実現するため、これからの計画を決め、そして貢献を続けます。”

Suthakaran Sundaralingam – full post
“さらに私は、OpenStreetMap財団のメンバーになり、スリランカでOpenStreetMap財団の一翼を担うことを決めました。”

Tommy Godphery Davian Charles – full post
“はじめてのひとと仲良くなるのは楽勝でした。だって、私たちが共通の言語 ‘地図とソフトウェア開発’ で話していたのですから。”

State of the Map Working Group

組織的編集に関するDWGからのアンケート

Data Working Groupは、有償マッピングに関するポリシー策定作業の一環として、アンケート調査を行っています。

スタートしたばかりのころのOpenStreetMapは、そのほとんどの活動は趣味人が自分の余暇を費やして行うものでした。そのころ、自分たちがマップするものは自分たちで決め、ツールを自分で選び、自分が行った貢献活動に個人として責任を持っていました。

OSMのたゆまぬ成長と一般社会への浸透の結果、組織的な活動として行われるマッピングが増えてきました。その多くは企業によって金銭の支払いを伴ったチームによる特定の地域や特定のユースケースに沿ったOSM改善活動であったり、無償で行われる学校の授業の一環としてのOSM編集活動であったりします。

これらの組織的なマッピング活動はOSM活動全体として見た場合、不可欠な部分となっています。そしてまた、活動が正しく行われれば、OSMをより知らしめ、OSMをよりすばらしいものにする一助となります。

よりよりコミュニケーションを確実なものとするため、そしてコミュニティメンバー個人と組織的な編集グループの間の活動領域の調整のため、OSMF Data Working Groupは、組織的活動を行うグループに対してガイドラインを定めることを検討しています。このガイドラインは、組織的活動を行うグループがもつべき透明性について定めるものです。ガイドラインで定める条項の多くは、例えばチームによる編集アカウントをコミュニティに通知することなど、すでにほとんどのグループが満たすものです。

私たちは短いアンケート調査を用意し、ポリシーの策定によって、マッピングコミュニティが何を求めているか、より詳しく知りたいと考えています。このアンケートは、個人としての活動やチームとしての活動にかかわらずOSMを編集する(あるいは編集しようと思っている)すべてのかたが調査対象です。アンケートの結果は私たちのポリシーのドラフト策定の際に検討対象となります。

アンケートのスコープと、定めるべきポリシーの対象についてですが、私たちは有償マッピング(あるいは有償編集)とは、サードパーティによって個人が何をマッピングするか決められている(そして多くの場合どのようにマッピングすればよいかも決められている)OSM編集行為、あるいは金銭の授受が発生する行為のことを意図しています。私たちは、サードパーティによって指示されるが無償であるその他の組織的マッピング(あるいは編集)行為についてはスコープに定めていません。

アンケート調査は以下で実施中です https://osm-dwg.limequery.org/741554

The OSMF Data Working Group

State of the Map Asia 2017: From Creation to Use of OpenStreetMap Data

ネパール、カトマンドゥで開かれるState of the Map Asia 2017に参加しませんか?

State of the Map Asia (SotM-Asia)はアジアのOSMコミュニティによって毎年開催されている、OpenStreetMapの地域カンファレンスです。最初のSotM-Asiaは2015年インドネシア、ジャカルタで開催され、次は2016年フィリピンのマニラで開催されています。

3回目の開催となる今年のカンファレンスは、2017年9月23-24日、カトマンドゥ、Budhanilkantha, Park Village Resortで開催されます。多くの人々で賑わうカトマンドゥ市内において静寂と緑に溢れたオアシスです。

このイベントではアジアそして他の地域からOpenStreetMapに強い関心を持つ200人程度の参加者が集まることを予想しています。イベントを通じ、マッパー同士の知識と経験の共有、交流の強化、アジア地域におけるマップカバー範囲の拡充のためのアイデアが生まれることでしょう。今年の会議におけるテーマは、OSMデータの ‘from creation to use (作成から利用へ)’ を掲げています。このテーマは、過去10年の間に世界中で行われてきた非常に有用なデータ作成に対し、アジア地域が他の地域に比べ、データの利活用において数年間の遅れをとっているために選ばれました。私たちはこれからの10年で、地理空間情報分野において目覚ましい成長を達成し、そこでは人々がOSMデータの活用を進めることになると確信しています。さらにこのイベントは、この巨大な地域において分断されてしまっているOSM地域コミュニティ同士のコラボレーションを強め、絆を深めることになることでしょう。

より詳しい最新情報は http://stateofthemap.asia からご覧ください。

Features

カンファレンスのキーノートは、Kate Chapmanさん (Chairperson of OpenStreetMap Foundation)、Dr. Lee Schwartzさん (Geographer of the United States of America) そして Prof. Taichi Furuhashi (professor at Aoyamagakuin University and President of CrisisMappers Japan)による遠隔スピーチによって行われます。

今年のState of the Map Asiaの白眉のひとつは、15ヶ国のアジア地域(中央、東、北、南、東南、西)を代表する参加者からのプレゼンテーションです。カンファレンスではOpenStreetMapデータの作成に関するプレゼンテーションにも注力しており、災害対応や行政による利用、アントレプレナーシップや芸術利用など数多くの分野におけるデータ利用にも言及します。最後に、行政の特別パネルとして、南アジアの高級官僚たちによるOSMデータの作成と利用、そして行政によるサービス提供においてOSMデータがどのように公式に利用されているかについて議論が行われます。

参加

今年のホストであるカトマンドゥ・リビングラボは20を超えるOSMアジアコミュニティからの全額スカラーシップ、そして5つの部分支援スカラーシップを担当します。

OSMコミュニティメンバーによるカンファレンス参加は無料です。このフォームから登録を行ってください。カンファレンスのホテル Park Village Resortは、カンファレンス特別価格で参加者に提供されます。カンファレンス特別価格が適用されるのは、このフォームから登録を行ったかたのみとなります。

ネパールの秋は素晴らしい季節です。ネパールでもっとも賑やかな祭 -Dashainはこのカンファレンス会期中に開催されています。ワークショップが終わった後、ぜひみなさん、この素晴らしい祭りにご参加ください。

2017年9月23-24日、カトマンドゥでお待ちしています!

The organizers of SotM-Asia 2017

SotM 2017開催、おつかれさまでした!

OpenStreetMap国際カンファレンスであるState of the Map 2017が、先週末、日本の会津若松市で開催されました。OpenStreetMapに関する講演とワークショップが続く、素晴らしい3日間でした。参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました! 集合写真はこちらです(このためにみんな早起きしました)。また、その他にも多くの写真が、Facebookグループ(CC-BY-SA-4.0)で公開されています。

SOTM運営チームの皆様も、ほんとうにありがとうございました。このチームは、これまでカンファレンス運営を続けてきた熟練スタッフに加え、日本でのこの素晴らしい開催をホストしてくれたローカルのメンバーで構成されています。

この非常に短期間の間に、チームメンバーは既にメインとなった2つの部屋の両方の全ビデオ録画を公開しています。

セッションビデオ

先程も書きましたが、Facebookグループには数多くの写真(CC-BY-SA)が公開されています。Twitterのハッシュタグ #sotmでのツイートSOTM 2017のWikiページにも、ブログ投稿など多くの情報が掲載されています。このカンファレンスで交わした数多くのアイデアを、ぜひ実現させましょう! カンファレンスに関するブログ投稿はこれからも実施予定です。お楽しみに!

State of the Map 2017参加登録開始

State of the Map 2017のチケット販売が開始されました! OpenStreetMapの国際会合に、みなさま是非ご参加ください。チケット割引価格の “アーリーバード” に登録して、あなたの参加を確実なものとしてください!

チケット購入はこちらから

State of the Mapは、オープンな場所データに関する素晴らしい体験を皆様にご提供します。私たちのメインカンファレンスでは、50の講演、会合のためのオープンスペース、そして個人や団体が顔を合わせる展示スペースをご用意しています。数百人クラスのOpenStreetMapコミュニティメンバーが参加するはずです。あなたもぜひ、その場に居合わせていただきたいと考えています。

“早起きの鳥は虫を捕らえる”、日本語では”早起きは三文の徳”。OpenStreetMapの世界は(チケットをゲットした)あなたのものです。

OpenStreetMapにおけるCC BY 4.0ライセンス適用データの利用について

CC spotlight photo CC-BY Timothy Vollmer

Creative Commonsとの慎重な検討と意見交換を経て、私たちはCC BYのもとに管理されているデータベースやデータに関する運営について、OpenStreetMapでそのデータを利用する際に特別許可を得る必要がある、という方針を引き続き継続することを決定しました。

確かにOpenStreetMapのコンテンツのほとんどは、実際に現地を確認し、その情報を地図に落とすというボランティアの手でつくられる活動ではあります。ただし例えばクロスチェック目的や、あるいはより直接的に、データの改良を行う目的など、状況によって地図改善のために外部のデータセットを使うケースもしばしばあります。そして、それらデータセットの多くはCC BY (Creative Commons Attribution) 規約のもとで公開されており、それらのライセンスと私たちが採用する配布ライセンスである ODbL 1.0の間のライセンス互換性は、OSMでそれら外部データを扱う際において非常に重要な観点となっています。

これまで長い間、政府を始めとするデータ公開者の間では、CC BY (Creative Commons Attribution) バージョン 2.0と3.0が広く利用されてきました。そして、帰属表示(Attribution)に関して、CC BYのこれらのバージョンとODbLでは配慮方法に相違があるため、LWG (Licence/Legal Working Group) では、OpenStreetMapでそれらのデータを使う際にライセンサーによる特別利用許可を求め、私たちが管理する中心的なサイトに設けられている特設ページに対して帰属表示を行う、ということを行ってきました。

CC BY 4.0はデータベース権を取り扱うことになった初めてのバージョンで、表記に関してもより簡素に行われています。バージョンの違いによる差分はこちらから確認することが可能です。現在この新バージョンのライセンスは有力なデータソース配布におけるその適用事例を増やしており、CC BY 4.0とODbLの間のライセンス互換性に関する声明を発表するよう、私たちへのリクエストが幾度も寄せられる状況となっていました。そのため、LWGによる作業が開始され、昨年末、CC BY 4.0が適用されたマテリアルをOSMで利用する際のライセンス・レビューとガイドラインの策定が行われることとなりました。

検討の過程においてはCC BY 4.0を情報源とするデータを直接ODbLで利用できるようになる可能性もありました。しかし、CCおよびOSMFは双方ともに、完全な互換性を維持することは困難である、との結論に達しました。少なくとも1箇所の非互換箇所、そして帰属表示に関して同じく1箇所の互換性に疑いのある箇所があることが明確となっています。そのため、BY 4.0でライセンスされたマテリアルについても、OSMで利用する際にはライセンサーへの特別許可を得ることが必要である、と判断しています。この方法が、それぞれの作業を行うにあたって最もよい手法です。

この判断に至った2つの要因は以下の通りです。まずCC BY 4.0では、ライセンシーが帰属表示を行う際の方法についてかなり柔軟な方法が選択できるよう配慮があるのですが、私たちが採用している間接的な帰属表示方法はその要求を満たしているのではないか、という示唆がありました。しかしながらOSMFは、BY 4.0のライセンサーが私たちの採用する方法を詳細に理解しないために混乱が発生する可能性がある点、そしてデータ提供者への敬意とよりよい手続方法の採用を行うという判断から、私たちのウェブサイトへの帰属表示掲載を行うという手法で問題ないかどうか、ライセンサーに対して特別許可を得るほうがよいという判断を行っています。

2つめの理由は、CC BYは再配布時において、DRM (訳注: Digital Rights Management、デジタル著作権管理) を適用することについて非常に厳しい制約が存在するという点です。類似の条項はODbLでも盛り込まれていますが、”派生著作物 (Derivative Database. 訳注: 日本では二次的著作物が相当)” を配布する際において複数の配布方法を許容しており、そのなかで、データへの非制限アクセス方法を設けるという制約達成条項が存在しています。また、ODbLを利用した “制作著作物 (Produced Works)” (例: 地図) ではそうした制約自体が存在していません。この差異による非互換状態を解消するにあたり、CC BY 4.0 2a5B項における技術的保護手段の適用禁止条項の免除が必要となります。

そして、本件に関連する人々がこうした特別許可を得ることをより簡便にするために、私たちは添付書類(カバーレター)と制約免除に関するフォーム、そしてCC BY 2.0や 3.0といった別バージョンについても同様の手続きを可能とするための文書を用意しました。なお当然のことながら、インポート作業を行う際にはインポート・ガイドラインに沿うことが必要であることと、こうした法的な手続きはインポート作業を成功させるにあたって、第三者が提供するデータセットを活用する作業に必要となる作業項目の1つでしかないことを忘れないでください。

本件について対応くださったCreative Commonsの皆様、特に、このプロセス策定をサポートしてくださった Diana Petersさん、そして添付書類と制約免除の文案作成に協力してくれたMapbox社のKathleen Luさん、誠にありがとうございました。

Simon Poole – For the OSMF Lecence Working Group

State of the Map参加登録オープン!

early bird tickets!

State of the Mapのアーリーバード・チケット(早期登録割引チケット)、発売開始しました! OpenStreetMapの国際カンファレンスにぜひお越しください。登録はお早めに、売り切れるかもしれません! 😉

State of the Mapは、オープンな位置情報に関心を持つすべてのひとにとって価値をもちます。私たちのメイン・カンファレンス開催日には、約50の講演、ミーティングのためのオープンスペース、そして個人と団体が会合できるような展示エリアが用意されています。カンファレンスには、OpenStreetMapに参加する数百人のコミュニティ・メンバーが参加する予定です。もちろん、あなたもその一員になってほしい、と私たちは願っています! ぜひ登録していただきたいですし、もし必要であれば、金銭的な支援を行う参加費支援プログラムも用意されています。

リンクは以下のとおりです:

早起きの鳥はお腹をふくらます (The early bird catches the worm.)、あるいは”Le monde appartient à ceux qui se lèvent tôt.(早起きは三文の得)” と申します。(チケットを)早くゲットして、OpenStreetMapの世界を堪能しましょう。

State of the Mapにぜひご参加を! 参加費支援のお知らせです!

OpenStreetMapには、世界各地からさまざまな人々が参加しています。そして私たちは、ブリュッセルで行われる次のState of the Mapには、可能な限りすべての人々に参加して欲しいと願っています。

ブリュッセルで開催されるState of the Mapの参加費支援をご検討ください!

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素晴らしい地図を作ったことはありますか? マッピーなコードを書いたことは? ドキュメンテーションに参加したり、イベントを開催したり、OpenStreetMapコミュニティに提案を行ったことはありますか? もしかして、ぜんぶやってるよ!という方は? 私たちは、みなさんの、海を超えた多様な声を聞いてみたいと感じています。お金という障壁で、あなたが海を超えることを邪魔されたくありません!

私たちはState of the Mapの予算の一部を、金銭に関する理由で参加ができないかたを支援することに割り当てています。困っている誰かを助けることはOpenStreetMap、そして私たちのState of the Mapの核を成すミッションのひとつです。私たちは参加費支援を通して、参加者の多様性と国際的な地図の進展、そしてカンファレンスの国際化を支援します。私たちの地図にとってコミュニティは重要なポイントです。ぜひ、みなさんに参加をいただきたいと考えています。

応募はこちらから

いただいた応募内容は私たちがひとつひとつチェックし、みなさんをブリュッセルに招待できるよう努めます。参加費支援では、渡航費用、渡航中の活動費、宿泊などの全部、あるいは一部の負担を行います。ご要望に応じて調整をさせていただきます。

締め切り: 2016年5月21日(日)

ご質問、あるいは詳細については scholarships@stateofthemap.orgまでメールでご連絡ください。