Monthly Archives: September 2023

OSM財団広報 企業スポンサー向けメンバーシップガイドラインの改定

OpenStreetMap Foundation(OSMF)は、OpenStreetMap(OSM)のデータを製品やサービスに利用する企業や団体向けの新しいガイドラインを発表しました。 この新しいガイドラインでは、OSMデータを使用・編集する事業体とOSMプロジェクトの間の権利と責任を明確にし、また、事業体が資金提供やアドバイザー的な立場で地図を支援する方法についての指針を示すものです。

抜粋:

  • ブロンズ・レベル以上の法人会員は、OSMF諮問委員会の参加権が与えられます。
  • これまでと比較して、年会費は50%増加します。
  • OSMFが行う「コンサルテーション」が、最上位である「プラチナ」レベルの特典として追加されました。
  • それぞれのメンバーシップのレベルに応じて、新しい指針が示されました。 

ツール、編集、スポンサーシップ、寄付でOSMを支えるという伝統

OSMF理事会に長く在籍するMikel Maron氏は、ブロンズレベル以上の企業メンバーに諮問委員会への参加権を開放することは、委員会がコミュニティに提供する価値の直接的な結果であると指摘しています: 「OSMを利用し、改善している組織と関わることができるのは、OSMの計画と運営において貴重な洞察の源となります。特に、相談や財政的な貢献など、それ以上のことをしてくださる組織には感謝しています。これらの組織の多くは、長期にわたってプロジェクトの共同開発者や友人として貢献してくれています」 Maron氏は、OSMF企業メンバーシップのガイダンスと価格変更は、OpenStreetMapの財務管理を改善するための全体的な施策の一部であると指摘しています。

The ability to engage with companies who use and improve OSM is a valuable source of insight in our planning and operations. We especially appreciate companies who go above and beyond in their willingness to both consult and contribute financially. Many of these organizations have served as co-developers and friends to the project for the long term. ” –Mikel Maron, OSMF board member

2023年に初のプラチナ会員となったTomTomをはじめ、ゴールド会員としてMapbox、Esri、Gojek、Grab、Graphhopper、Meta、Microsoftなどが、法人会員としてOSMを支援してくださっています。 また、新ガイドラインのもとで最初にOSMFの法人会員に登録くださった2社も温かく歓迎します: StadiaMaps、そして最初の政府機関としてイリノイ州Kendall郡が法人会員に加わっています。

OSM企業会員の一覧

2024年以降のOSMF財務状況

理事会が公開している第二次戦略計画草案では、以下のようないくつかの重要な財務目標が示されています:

  • 収益戦略の更新
  • 財務管理方針の確立
  • コミュニティへの財政的支援提供
  • 財政インフラの強化

戦略計画の前文では、理事会はOSMプロジェクトで必要となる規模に対し、新しいアプローチが必要になると述べています “OSMFの主な焦点は、インフラが利用可能であり続けることを保証することでなければならない… [and for] OSMがボランティアによって推進されるプロジェクトであり続けるためには、ボランティアに過度の負担をかけないように注意する必要がある。 OSMFは、財政面そして運用面のサポートを行うことで、これを支援することができる。

OSMプロジェクトの現在の規模は、決して大げさに誇張しすぎることはない。OSMのボランティアは過去約20年間で80億のデータポイントを地図に書き加え、毎月何億ものAPIコールが行われている。OSMデータを利用することで、よりスマートな都市の構築、交通渋滞の緩和、サプライチェーン問題の解決、気候変動研究の推進、人々が食料を育てたり、きれいな水を見つけたり、医療やその他の助けを求めたり、ローカルビジネスを構築したりする手助けなど、数多くのユースケースが存在しています。OSMの編集者はまた、数百にも及ぶ人道的なユースケースを通じて、何百万人もの人々を支援しています。 アクセンチュアの試算によれば、そのデータが企業や政府に提供する価値は数十億ユーロにのぼると見積もられています。 

The use cases for OSM data include building smarter cities, reducing traffic congestion, solving supply chain issues, powering climate change research, and helping people grow food, find clean water, reach medical and other kinds of help, and build local businesses. OSM mappers also help millions of people through hundreds of humanitarian use cases

OSMは、このような世界規模のプロジェクトであるにも関わらず、財政的コストは比較的小規模です。OSMFは、フルタイムの職員1人、パートタイムの少人数のスタッフ、そしてすべてボランティアの理事会という、極めてスリムな非営利団体として運営されています。 より多くのシステム管理者、プロジェクト管理、ローカルコミュニティを支援するためのリソース、そしてインフラやクラウドのコストをまかなうための資金が必要とされています。

OSMFの財政ガバナンス詳細

組織として個人として関わる、OpenStreetMap支援の方法

個人や組織としてOpenStreetMapを支援しようとする場合、以下のような方法があります:


The OpenStreetMap Foundation is a not-for-profit organisation, formed to support the OpenStreetMap Project. It is dedicated to encouraging the growth, development and distribution of free geospatial data for anyone to use and share. The OpenStreetMap Foundation owns and maintains the infrastructure of the OpenStreetMap project, is financially supported by membership fees and donations, and organises the annual, international State of the Map conference. Our volunteer Working Groups and small core staff work to support the OpenStreetMap project. Join the OpenStreetMap Foundation for just £15 a year or for free if you are an active OpenStreetMap contributor.

OSM財団理事選挙 2023

The OpenStreetMap logo, with text

来る12月、OpenStreetMap財団 (OSMFJ) の理事選挙が行われます。 投票は12月2日16:00 UTCから始まり、12月9日に開催される2023年年次総会において結果がアナウンスされます。

選挙対象の議席

この選挙では少なくとも、任期が終了となる3つの議席(Guillaume Rischard氏、Mikel Maron氏、そしてRoland Olbricht氏)が対象となります。対して、Arnalie Vicario氏、Craig Allan氏、Mateusz Konieczny氏そしてSarah Hoffmann氏は続投となります。理事会の議席数は合計7席となっています。

Guillaume Rischard氏とRoland Olbricht氏はすでにもう一度立候補する意向を決めています。Mikel Maron氏は財団の定款に基づき、再立候補はできません。 すべての理事は無償のボランティアです。

投票資格

すべての通常会員 [1] および賛助会員 [2] (アクティブコントリビュータメンバーシッププログラムを通じたメンバーを含む)は選挙の投票資格を有します。具体的には以下を満たしていることが条件です:

  • 年次総会の開催日から90日前までの期間を通じて、通常会員または準会員であること。
  • 総会の開催7日以上前までに、会費の支払い滞納がないこと。
  • 自然人(人間) であること。
[1] Normal members provide their full residential address and can vote on all General Meeting resolutions. Their residential address may be disclosed to other members.
[2] Associate members provide just their country of residence - which may also be disclosed to other members - and can vote - but not on all General Meeting resolutions. Additionally, they cannot be board candidates.

なお、「90日間」とは、年次総会が予定通り2023年12月9日に開催される場合、現在の会員資格の開始日がUTC時間で2023年9月10日(日)開始以前でなければならないことを意味します。

2023年の総会までにOSM財団会員資格が終了してしまう方が投票を希望する場合、必ず事前に資格を更新してください。会員資格の終了日や区分を確認するには、前回の会員資格更新の際に受け取ったメールをご確認ください。Eメールが見つからない場合や、会員更新の自動リマインダーが届いていない場合は、メンバーシップワーキンググループのボランティアに問い合わせください。

理事の規約、責任、そして立候補理由

理事の規約、責任、そして立候補理由については、OSM wikiのリンクを参照ください。

財団の活動の多くはワーキンググループのボランティアによって行われており、財団への支援を希望されるかたは、ワーキンググループへの参加も検討ください。

現理事、および過去に理事を務めた何人かは、他人から勧められるまで理事として立候補することは思いつかなかった、と述べています。理事に立候補するかどうか、他のかたに立候補を勧めるかどうか、考えてみてはいかがでしょうか。

理事立候補の詳細規定

理事への立候補には以下の条件が必要です。

  • 年次総会の28日前までに、OSM財団の通常会員であること。
  • 年次総会の180日以上前に、通常会員あるいは賛助会員であること。
  • 理事としての活動を希望すること。
  • 法的にそれらが禁止されていないこと。
[3] 180 days: OSMF membership start date before 12 June 2023, if the Annual General Meeting takes place on 9 December 2023, as scheduled. 

もしあなたが賛助会員で、その他の条件を満たしている場合、通常会員に変更することが可能です。メンバーシップワーキンググループにご連絡の上、 ご住所をお知らせください。

OSM財団会員による決議案

OSM財団の会員は、決議案を提出し、会員に投票を求めることができます。決議案が投票対象に加えられるには、投票権を持つ会員の少なくとも5%の支持を得る必要があります [4] 。詳しくは以下を参照ください: 2006年会社法: 書面による決議案の配布を求める会員の権限 決議案を審議対象とする期限は、2023年10月25日となる見込みです。今後数週間以内に、OSM wikiで主要な日付が公開されますので、チェックしてください(以下リンク)。

[4] If the vote would take place today, you would need the support of at least 76 OSMF members eligible to vote. Please note that this number will change.

2023年理事選挙および年次総会関連情報

2023年理事選挙、および年次総会のそれぞれに関する情報は、今後数週間以内に以下のページで詳細が公開されます:

もしすでにOSM財団の会員である場合、osmf-talk (OSM財団会員メーリングリスト) で最新情報をチェックすることもできます。 osmf-talkへの登録は、OSM財団会員であればこちらから可能です。(OSM財団会員登録で利用しているメールアドレスを使用してください) アーカイブはこちらになります

通常、選挙がどのように行われるかを知りたいかたは、OSM wikiやOSM財団ウェブサイトの前回選挙に関するページをご覧ください。

About the OpenStreetMap Foundation

The OpenStreetMap Foundation is a not-for-profit organisation, formed to support the OpenStreetMap Project. It is dedicated to encouraging the growth, development and distribution of free geospatial data for anyone to use and share. The OpenStreetMap Foundation owns and maintains the infrastructure of the OpenStreetMap project, is financially supported by membership fees and donations, and organises the annual, international State of the Map conference. Our volunteer Working Groups and small core staff work to support the OpenStreetMap project. Join the OpenStreetMap Foundation for just £15 a year or for free if you are an active OpenStreetMap contributor.