Monthly Archives: November 2014

State Of The Map – Thanks

OpenStreetMapコミュニティが集まる年次総会 “State of The Map”が先週開催されました。

今年のカンファレンス開催に携わったHenk Hoffさん、Gonzalo Gabriel Perezさん、Fernando Sanzさん、そして Nicolás Alvarezさんをはじめ、すべての方々に深い感謝を捧げます。彼らは様々な課題に立ち向かい、そしてそれらに打ち勝ってきました! そしてまた、今年のState of the Mapを支えてくれたスポンサーの皆様にも感謝します:sponsor logos

今年のカンファレンスも前年度までと同様、OpenStreetMapの友人たちと会合する素晴らしい機会であり、多種多様な地図の使い方や地図への貢献のショーケースであり、これからプロジェクトを先に進めるためのアイデアを混ぜあわせるるつぼのような場でした。そしてさらに、その場で発表を行った全ての発表者に感謝を捧げます。私達は現在、当日行われた講演のビデオを公開しようと考えています(もちろん、言うは易し、ですが)。[更新 ビデオの公開をこちらで開始しました] また、Flickrには ‘sotm14’とタグが付けられた写真が数多くアップロードされています。SOTM 2014のWikiページで公開されているプログラムからは、セッションごとに、Wiki編集が可能なサブページへのリンクが作成されて言います。ページの編集は自由ですので、是非、スライドデッキやその他の関連情報へのリンクを追加してみてください。

そして、非常に興味深い発表や講演に加え、カンファレンスとは別に、当日はいくつかの重要な事柄がありました。OpenStreetMap Foundationの選挙結果の公開です。

OpenStreetMap Foundation選挙結果

これまで行われていた選挙と同様、SOTMカンファレンスの期間中にOpenStreetMap Foundation年次総会が開催され、新しい理事の選出が行われました。選挙では、Frederik Rammさんが再選し、Kathleen Danielsonさんと Paul Normanさんが、辞任を表明したMatt Amosさんと Simon Pooleさんの代わりに、新しく理事として就任しました。新しく就任された理事のかたがたに期待するとともに、選挙運営に関わったすべてのかたがたに感謝します。選挙に関するより詳しい情報はwikiに記載されています。

新機能 ‘?’

過去のカンファレンスでもそうだったように、何人ものOpenStreetMap開発者が、カンファレンスのあった週末にあわせて様々な機能の開発を行ってきました。今年、私達は新しく ‘?’ ボタンをopenstreetmap.orgページの右側に配置しました。ぜひボタンを押して試してみてください! 近々、より詳しい情報が公開されると思います。

OpenStreetMapラテンアメリカのスタート

そして新しく、OpenStreetMapラテンアメリカ・グループが新しくカンファレンスの期間中に開始となりました。彼らは自分たちで ‘talk-latam’ メーリングリストを開設し、“State Of The Map Latin America”カンファレンスを開催して、世界中で行われているカンファレンスの環に加わろうと計画しています。これは素晴らしいニュースであり、私達がブエノスアイレスに訪れたことによる素晴らしい成果です。私達は世界各地で年次大会を開催し、OpenStreetMapの楽しさを津々浦々に響かせたいと考えています。このような形でグループが形成され、活動を始めたことはまさに私達が期待していたことでもあります。南アメリカのコミュニティがOpenStreetMapにとって非常に重要であることは論をまたない事実であり、今年のカンファレンスが南アメリカで行われたことは非常に喜ばしいことです! 美しい都市ブエノスアイレスで、アルゼンチンのOpenStreetMap貢献者たちがStete of the Map 2014をホストしてくれたことに感謝します。

変更セットディスカッション機能のご紹介

OpenStreetMapプロジェクト成功の鍵はコミュニティとコミュニケーションにあります。これまで、個人が行った編集に対するディスカッションは、いつもややこしく煩雑なものでした。この投稿ではOSMウェブサイトの新機能 “変更セットディスカッション”、すなわち変更セットそれ自体に対して公開ディスカッションを行う機能について解説します。

“変更セットディスカッション”導入前

“変更セットディスカッション”機能が実装される以前、変更セットに対してコミュニケーションをとる手段は、メーリングリストやフォーラムといったサイト外の手段を使うか、あるいはその変更セットを作業した編集者に対して直接OSMメッセージを送るしかありませんでした。どちらの手段も、ややこしい手順が必要でした。

そのため、これまで変更セットに対して議論を行うことはしばしば困難を伴っていました。新しいユーザがプラス方向のフィードバックや役に立つを得ることはほとんどなく、編集結果に賛否両論ある場合には、公開で議論が行われること無いまま、しばしばDWGの担当事案となってきました。

“変更セットディスカッション”導入後

“変更セットディスカッション”ではこの問題に関して、OSMに関係している変更セットに対して直接ディスカッションを開始することができるようになりました。このディスカッションは公開状態であり、貢献者の間での協調を図ることが可能となります。

この機能はOSM Note機能に対しても同様に、コメントを残すことができます。これにより、例えばノート(日本語訳: 編集メモ)の投稿者に対してより多くの情報提供を依頼するなど、ノートに対する公開ディスカッションを開始することが可能です。

変更セットへのコメント方法

“変更セットディスカッション”は既にOSMウェブサイト上で利用可能です。機能を使うには、画面左側に変更セットの内容を表示させ、そこにコメントを入力します:

変更セットコメントの追加

入力が終わったら投稿ボタンを押すと、コメントが表示されます:

投稿された変更セットコメント

Harryさんが返信している様子はこんなかんじです:

コメントに対するHarryさんの返信

…私の手元にEメールで通知が届き、返信があったことが知らされます。

ディスカッションへの参加/退出の選択

変更セットにコメントを入力した後、その変更セットに対して新しくコメントが投稿されたると、自動的に通知を受け取ります。これにより、それ以降の議論に継続して参加できるようになります。コメントを投稿せずにその変更セットの議論を確認していたい場合、”議論に参加/Subscribe”ボタンを押してください。

変更セットへの議論参加 I

その変更セットの議論を今後確認する必要がない場合は、”議論から退出/Unsubscribe”を押すと、新しいコメントが投稿されてもアラートが送られなくなります。

“変更セットディスカッション”のユースケース

  • 新規ユーザの歓迎

前述のとおり、OSMは新規登録したユーザに対してコミュニケーションをとるよい方法がありませんでした。変更セットディスカッションを使うことで、彼らの最初の編集に対して歓迎のメッセージを送ることができます。加えて、例えばタグづけのレクチャーや特定のやり方の連絡といった内容を、彼らに対する強力なフィードバックとして返すことが可能になります。

  • プラス方向のフォードバックを送る

コミュニティとして、私達は自分たちが行った編集に対してプラス方向のフィードバックを受けることはあまりありませんでした。変更セットディスカッション機能を使うことで、その編集に対するありがとうメッセージを送ったり、送られたりすることができるようになります。

  • 編集の変更内容についての質問を送る

例えばnameタグの内容が変更されたり、道路のクラスが変更されたりした場合など、編集内容に疑問点がある場合は、ユーザに直接連絡をとって確認をしたいことがあります。変更セットに質問が書き込まれることで、その編集を行った編集者に対して公開フォーラムのような形であなたからのフィードバックを送ることができます。これにより、いままでよりもさらにオープンで開かれたディスカッションを行うことができ、ユーザ間の衝突や編集競合が起こりづらくなることが期待されます。

APIもあります

“変更セットディスカッション”はAPIのコンポーネントも準備されており、Wikiに解説ドキュメントがあります。このAPIを使うことで、OSM編集ソフトウェア上から直接この機能を利用できるような実装を行うことができ、コミュニケーション/コミュニティを通してよりよい編集プロセスが築かれます。

スペシャルサンクス

 

“変更セットディスカッション”機能は、Google Summer of Codeでの開発、特に、光栄にも私 (訳注: Serge Wroclawskiさん) が担当した生徒である Lukasz Gurdekさんの作業の結果として生まれた機能です。彼の活動成果はまさしく最高級であり私は彼と作業ができてたいへんうれしく感じます。

また、開発されたコードをOSM.orgのコード体系にマージするにあたり、私とLuksazさんと一緒に作業してくれた Tom Hughesさんに特別の感謝を捧げます。彼のがんばりがなければ、私達のブランチはウェブサイトに実装されることがないままだったでしょう。

そしてもちろん、この機会を与えてくれたGoogleと、Google Summer of Codeプロジェクトにも感謝を捧げます。

OSMF理事選挙 – 立候補者の募集開始

3D Team Leadership Arrow Concept CC-BY-SA2.0 lumaxart.com

OpenStreetMap年次カンファレンス State of the Mapの開催が近づいています。それはすなわち、OpenStreetMap Foundationの理事選挙が近づいてるということでもあります! 選挙にあたり、知っておくべきことをまとめます。定数7名のうち、今年は2人が改選となります。

誰がOpenStreetMap Foundationの理事となるべきか

あなたです。あなたこそがなるべきです。OpenStreetMapそれ自体のとりまとめをしてみませんか? OpenStreetMapをよりよいものとするため、他の人々とともに組織をまとめ、総体としてまとまって活動を進めるやりかたに興味はありませんか? OpenStreetMapにおいてもっとも大切な考え方を既に理解しているならば、あなたが持っている重要な技術や知見、能力を理事会のなかで活かしてみませんか? それらを表明し、理事として立候補してください。

立候補要件

上記の条件を満たす限り、ブエノスアイレスで開催される年次総会に直接参加することができなくても、理事への立候補や投票を行うことが可能です。

立候補の手順

  • 理事への立候補を決意する
  • OpenStreetMap Foundationのあなたのメンバー登録状態を確認する
  • 会員区分が賛助会員だった場合、通常会員に変更する
  • wikiの立候補者一覧表に自分の項目を追加する
  • 立候補の宣言文、および、あなたを知らない他メンバーのために、あなたが持っている能力や技術、考え方、意向を表明する文章を用意する。立候補者一覧表から、当該の文書にリンクを貼る。2013年に行われた理事選挙を参考にしてください
  • 選挙に関連するメーリングリスト議論をフォローし、立候補者への質問に回答する

いますぐ準備をはじめてください。アナウンスや、公式の開始日、投票終了日はあなたが気が付かないうちに始まっているかもしれません。よろしくお願いします。

投票に関して

通常、投票は、毎年のState of the Mapと同時に開催される年次総会 (Annual General Meeting(AGM))と同時に開催されます。より詳しい情報は、wikiページで随時公開予定です。昨年は、State of the Mapに参加できないかたのために、メールを使った代理投票が行われました。詳しくは追って公開されます。

単記移譲式投票 (STV, Single Transferable Vote)

本年の選挙では、これまでの理事選挙で行われていた、単純な”最多得票数”による方式ではなく、STV方式 (日本語) が採用される見込みです。Wikipediaでは、以下のように説明されています: “単記移譲式投票 (Single transferable vote (STV) ) は、比例代表を提供するよう設計された優先順位投票を用いた 投票制度である。” より詳しくは記事本文を参照ください。Happy Mapping.

(cross-posted from weait.com)