Monthly Archives: November 2015

OSMGeoWeek

今週 (正確には15日) から、Geography Awareness Weekが始まります。今年、私たちは全世界各地で mapathonを開催し、地理に関するすべての活動を祝うこのお祭りに参加します。私たちはこの活動を “OSMGeoWeek” と名づけました。

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OSMGeoWeek の地球儀 by Dan Joseph. Print your own with this PDF

osmgeoweek.orgでは、開催予定のイベントが一覧になっています。OSMGeoWeekは、MapGive (U.S. Department of State, 米国務省), Peace Corps, USAID, 世界銀行防災グローバルファシリティ (World Bank’s Global Facility for Disaster Reduction and Recovery), Missing Maps、そしてもちろん OpenStreetMap人道支援チーム (Humanitarian OpenStreetMap Team) など数多くのパートナーが連携しており、世界全体で100個のmapathonを開催することを目指しています。いまからでも、あなたの町でもイベントをしてみませんか? もし一覧に追加できるイベントがあれば、サイトに記載されている連絡先までご連絡ください。現時点で、世界中から20カ国の参加をいただく予定となっています。

mapmydayまた、来月には Map My Day (mapmyday.org) というイベントも開催予定です。これは車椅子のアクセシビリティをマッピングするイベントで、wheelmap.orgを運営する素晴らしいひとびとが中心となって開催されます。こちらのイベントの開催予定は12月3日です。ぜひ Map My Dayでもご一緒しましょう。

2015年理事選挙について

OpenStreetMapのメンバーによる、OSMFのリーダーシップである理事を決めるための選挙まで、もう少しとなりました。財団の理事は最大7名の構成員から成っており、うち3名は任期が残っているため、今回は最大4名までが選挙によって選ばれることとなります。

理事選挙への立候補はまだ受け付け期間の途中で、締め切りは11月21日です。もしOpenStreetMap Foundationのメンバーで、私たちの組織が将来進む先を定める作業に関わりたいというかたは、ぜひ理事選挙へ立候補ください。立候補に関する詳細情報は選挙のwikiページに記載されています。

立候補の受付を締め切った後、一週間の間を置いて、投票がスタートします。投票期間は一週間で締め切られ、結果は年次総会において承認されます。年次総会は12月5日土曜日に開催予定である旨が公式にアナウンスされています。

OpenStreetMap.orgの地図表現変更について

OpenStreetMap.orgでは、地図の右側にレイヤー表示ボタンが配置されており、そこからいくつものレイヤーを選択して利用することが可能です。この機能が成立しているのは、どのようなスタイルでも、自分の望む形でOpenStreetMapのデータを使って地図を生成することのできる OpenStreetMapの、オープンな地理情報データ配布のありかたの為せる技です。OSMのウェブサイトではそうして作られた 5つのスタイルを表示してますが、その他にも、ウェブ上では数百数千のスタイルが利用されています。

私たちは少しずつ、’標準’ (スタンダード、デフォルト) の地図スタイルを置き換えるための実装を開始しました。新しいバージョンのスタイルはこれまでのスタイルの進化版であり、道路の色合いの変更と鉄道路線の明瞭化が行われ、地図の読みやすさが改良されています。今回のリリースの期間、数時間の間は、古いスタイルと新しいスタイルがパッチワーク状に表示されてしまいます。サーバはフル稼働で地図画像を生成しています。すべての地図画像が生成されるまで、少々お待ちください。

before-after road styles

スタイルの変更方法

今回の地図スタイルの変更では、道路や鉄道の表示方法が主要な変更点となっています。11年もの間、OpenStreetMapでは、私たちの周囲の環境を事細かに記録してきました。そうした情報を表示するよう、標準の地図スタイルは進化を遂げてきましたが、しかしその結果、道路や鉄道の線が非常に見分けづらくなってしまっていたのです。例えば、森林の多い地域のなかで国道 (現在は緑色で表示) の線を見分けることは非常に難しい状況でした。

この新しいスタイルの開発 (プロジェクト詳細) に携わった Mateusz Koniecznyさんによれば、新しい地図スタイルでは “どんな用途の地域のなかにおいても道路表示が見やすくなるように色合いを修正” が行われています。MateuszさんはOpenStreetMapコミュニティと歩調をあわせ、フィードバックを受けながら、デザインの初期調査からドラフトの実施という長い道のりを歩んできました。”主要な道路区分 (高速道、国道、都道府県道、主要道) において、どの道路が重要であるかが直感的に判断できるよう、色相と明度の連続性を安定させた” と、彼は加えています。

スタイルの変更はいつも行っているのに、今回の変更を特別扱いする理由は?

もっともな指摘です。ここ数年間の間、新しい地図スタイルは2−3週間に一度の頻度で更新が行われてきました。OpenStreetMapの他のプロジェクトと同様、この地図スタイル変更においても、スタイル改良にあたって数多くのボランティア開発者が集っています。そうした活動をすべて記すことができれば、それは非常に素晴らしいことですが、しかし現実問題として、そこまではなかなか難しいのが現状です。また、今回の変更は、大きな変更点であるというだけではなく Google Summer of Codeプロジェクトの一環でもあり、ここで作業完了の一区切りをつけ、地図スタイルの改良に貢献するひとびと全員に感謝を伝える機会でもあります。メンテナの方々、ほんとうに素晴らしい活動を、ありがとうございます!

地図スタイル、次の変更方針は?

端的に言えば、しばらくの間は地図の細かな部分を継続的に改良してゆく作業を行う予定です。大きな改良作業は、アイデアや経験を有するメンテナたちの関心を惹きつけるものでした。もしかしたら、彼らのアイデアをもとに、小道と道路 (path and roads) に関する小規模な修正が行われるかもしれません。

さらに、OSMウェブサイトで表示する地図をスタイルルールに沿って生成するためのツールキットである Mapnikのバージョン更新作業も控えています。最新バージョンでは、ラテン語圏以外の言語表記におけるバグ修正が数多く含まれています。長期的な作業対象では、現在のように限られたタグだけではなく、OpenStreetMapデータのすべてのタグを標準地図スタイルで利用することができるように、データベースのデータ再投入も視野に入れられています。

‘標準’ スタイルの開発、私にできることは?

標準地図スタイルは OpenStreetMap-Cartoと呼ばれていますが、このスタイルはGithubで公開されています。2012年にこの地図スタイルの開発に燃料を再投下したのは Andy Allanさんですが、彼はここ数年の OpenStreetMapカンファレンスでこのスタイル開発に関する講演を行っています。State of the Map US 2015で行われた講演では、最初の一歩を踏み出すかたにとってわかりやすく、このプロジェクトの現状が伝えられています。また、State of the Map EU2014では、詳細なワークショップが開催されています

その他の地図スタイルについて

今回の変更は、openstreetmap.orgの ‘標準’ (スタンダード、デフォルト) の地図スタイルにのみ適用されます。
その他にもさまざまなスタイルが公開されていますし、あなたが自身でスタイルを作成することも可能です。もしあなたが自分自身で地図をデザインしたい場合や、あなたの会社のブランドにあったデザインの地図を作りたいという場合でも、OpenStreetMapのデータを使って、そうした要望を叶えることができます。その場合、現在の ‘標準’ 地図スタイルを開始地点として、あなたなりの変更を加えることだって可能です。

OSMウェブサイトに新しい地図スタイルを加えるには?

できないことではありません。ただ、あなたのスタイル (そしてそのスタイルのホスト側) には、いくつかの審査基準に沿った確認が行われます。詳しい情報はタイルレイヤーガイドを参照ください