OpenStreetMapのタグとtaginfo

OpenStreetMapのデータには”タグ”の情報が含まれています。タグは name=valueというペアの情報であり、この方法を使うことによって、地物のグルーブ分けを行なう際にユーザが独自の分類にもとづいて、自由に行うことが可能となります。ただ、マッピングを始めるにあたって、タグについての知識が必須、というというわけではありません。OSMの”編集用画面”での操作は簡単で、その地物の種類を選択するだけで作業が完了します。例えば、編集用画面では”郵便ポスト (post box)”を選ぶだけで、”amenity=post_box”というタグのついたNodeを作成することが可能です。Selecting Post Box in the id ditor

ところが、投稿するデータについてより詳しい知識を得るにつれて、そしてもしかしたらOpenStreetMapのデータを利用する側になった場合、タグについて理解することが絶対に必要になってきます。OSMには、こうした時に役に立つリソースがいくつか存在しています。

ひとつはOpenStreetMapのwikiにまとめられている、タグについてのドキュメンテーションを検索することです。例えば、Tag:amenity=post_boxなどに対して、解説用のページが用意されています。このドキュメンテーションはコミュニティによって作成されているものであり、最終決定された金科玉条、というわけではありません。このwikiページは、タグについてコミュニティで合意形成を行なう際のプロセスの一環にすぎません。コミュニティのメンバーはだれでも、このドキュメントページを編集し、マッピングコミュニティでどのようにタグが使われているのか、より詳細で正確な状況を表すことができます。もちろんあなたもコミュニティの一員であり、このページを編集することが可能です。

そして、マッピングコミュニティのなかでタグがどのように利用されているかをダイレクトに表示する方法として、私たちはtaginfoを利用しています。このシステムはOpenStreetMapデータベースの中で、それぞれのタグが利用されている頻度を計算し、どのようなタグが一般的に利用されているか、そしてそうしたタグがどれだけの数量でマッピングされているかを、統計として表示させることが可能です。例えばここでは amenity=post_box というタグが、私たちのデータベースの中で 153581個登録されていることがわかります!

taginfo post box screenshot

taginfoではより詳しい情報の参照先として、wikiページヘのリンクや、JOSMで使われているアイコン、OverPass TurboやXAPI、JOSMで表示させるためのリンクを表示しています。そして、さまざまなユーザが行った多様なソースの情報を、タグという観点から関連付けて提供しています。

このシステムは Jochen Topf さんによって数年前に構築され、以前には TagWatchTagStat といったツールも構築されました。現在、taginfoはタグに関する事柄を理解するためには必須のツールとなっています。先日、私たちは taginfo を OpenStreetMap Foundation が管理するサーバへ移行させ、さらに、Jochenさんが彼のブログに記載しているようなさまざまな修正を実施しています。

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